執筆者:杉山 大志
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2018/09/21
生きもののしたたかさの秘密に迫る
書評:ナシーム・ニコラス・タレブ著『反脆弱性[上][下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』(エネルギーフォーラムからの転載:2018年8月号)
これは現代の奇書である。 続きを読む
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2018/09/06
猛暑・豪雨の地球温暖化との関係のホントとウソ
今年はどうやら猛暑で豪雨が多いらしい(本当は統計的に事後確認しなければならないけれど、よく聞かれるので、早々にこの記事を書くことにした)。 続きを読む
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2018/08/29
外見か、遺伝子か 分類学を翻弄
書評:キャロル・キサク・ヨーン著『自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』(電気新聞からの転載:2018年8月10日付)
私は魚を食べるのも釣るのも大好きで、ヒマなときはよく魚の図鑑を涎を垂らしながら眺めている。 続きを読む
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2018/07/27
遊びこそ未来を創る革新の親
書評:スティーブン・ジョンソン著『世界を変えた6つの「気晴らし」の物語【新・人類進化史】』(電気新聞からの転載:2018年6月15日付)
原題はWonderland:How Play Made the Modern Worldである。邦題は上品ぶっているが、原題はもっとストレートだ。 続きを読む
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2018/05/01
万物に共通する発展の歴史
書評:マット・リドレー 著「進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来 」(電気新聞からの転載:2018年4月6日付)
生物は神がつくったのではなく進化によって出現した。だがこれは生物だけか?実はあらゆるものは進化によって出現したのであり、人間が設計し計画したものではない。 続きを読む
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2018/04/24
地球温暖化への適応をきっかけとした島嶼国との国際関係の強化について
一方では温暖化問題があり、他方では領土問題がある等、島嶼国を巡る国際的な動きが喧しい。この中にあって日本は島嶼国とどのように関係していけば良いか。 続きを読む
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2018/04/13
CO2による地球緑色化(グローバル・グリーニング)
CO2のリスクについては良く言われるけれど、便益もある。CO2は光合成の原料だから、増えるほど作物は育つ。このことは、CO2による施肥効果(carbon fertilization)と呼ばれてきた。 続きを読む
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2018/04/09
中世は今ぐらい熱かった:IPCCの最新の知見
ホッケースティック論争やクライメート事件といった騒動ばかりが目立ってあまり知られていないが、中世の北半球は今と同じくらい熱かったことは、今ではIPCCははっきり認めている。 続きを読む
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2018/04/03
地球温暖化の科学的不確実性
地球温暖化に科学的不確実性があり、それが大きいことは、IPCCもはっきりと報告している。しかしながら、このことは温暖化対策が語られる時に、しばしば無視されている。 続きを読む
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2018/03/28
汎用目的技術の進歩による
地球温暖化問題解決への展望について(「環境管理」からの転載:2018年3月号)
情報通信技術(ICT)等の汎用目的技術(GPT)の急速な進歩が、温暖化対策技術のコスト低下をもたらしている。これにより、自動車部門をはじめとした経済活動全般において、大規模な温室効果ガス排出削減が可能になりつつある。 続きを読む
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2018/02/23
ESG投資への説明にSDGを活用しよう
NGOの環境運動はとかく〇〇叩きの様相を呈する。鉛叩き、ディーゼル叩き、シェール叩き、石炭叩き、CO2叩き、・・・その度に、事業者は対応に苦慮することになる。 続きを読む
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2018/02/14
技術は進歩しているのに電気料金が「上がる」のは何故か
医療費が増大して国民経済の負担が増していることが問題となっている。ある時、国民負担増大の理由の一つが技術進歩である、という説明を受けて、不思議に思った。 続きを読む
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2017/12/11
花粉分析で分かる地球温暖化
書評:中川 毅 著「人類と気候の10万年史ー過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか 」(電気新聞からの転載:2017年11月24日付)
地球温暖化というと、100年後の温度上昇が2度とか4度などとシミュレーションで予測されている。研究には敬意を払うが、どこまで信頼できるかはやや心もとない。 続きを読む
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2017/10/23
カーボンプライシングの理論と実際
現在の日本において導入は必要か?(「エネルギー・資源」2017年9月号からの転載)
1.はじめに
カーボンプライシングの定義には2通りある。
広義には、CO2排出を削減する動機を与える施策(例えばエネルギー税や省エネ規制)はすべてカーボンプライシングであり、つまりは温暖化対策と同義になる。 続きを読む -
2017/09/08
電気自動車ブームの先にあるものは?
1.電気自動車ブーム到来?
世界は俄かに電気自動車(EV)ブームになっているようだ注1)。フランスに続いてイギリス政府も2040年までにガソリン車とディーゼル車の新規販売を2040年から禁止すると発表した。 続きを読む
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2017/08/29
PVコスト低減は誰の手柄か?
―― 技術進歩における政府の役割は?太陽光発電の価格が下がっている。アラブ首長国連邦(UAE)では入札価格が3セント/kWhになったという。 続きを読む
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2017/08/24
「化石燃料へのロックイン」は本当に起きるのか?
低炭素社会に移行するためには、CO2を排出するエネルギーインフラに「ロックイン」しないことが必要で、例えば石炭火力発電への投資を直ちに止めて、太陽電池等の再生可能エネルギーへの投資に切り替えるべきである、という考え方がある。 続きを読む