オピニオン一覧

  • 2013/10/04

    エネルギー政策の混迷をもたらしている地球温暖化対策

    地球温暖化防止に全く機能しない京都議定書方式

     20 世紀末の地球大気中の温度上昇が、文明活動の排出する膨大な量のCO2 などの温暖化効果ガス(以下CO2 と略記する)の大気中濃度の増加に起因すると主張するIPCC(気候変動に関する政府間パネル、国連の下部機構)による科学の仮説、いわゆる「地球温暖化のCO2原因説」に基づいて、世界各国のCO2排出削減量を割当てた京都議定書の約束期間が終わって、いま、温暖化対策の新しい枠組みを決めるポスト京都議定書のための国際間交渉が難航している。 続きを読む

  • 2013/09/09

    再生可能エネルギーは貿易戦争の新たな具へ 
    ~その後~

    EUは負けたのか - EU・中国の和解

     7月28日以降、各紙はEUと中国で生じていた太陽光パネルダンピング等の問題において一部仲裁合意が成立したと報じていたが注1)、合意内容についてEU産業界が反発しており注2)、その一方で、中国の産業界はそれを歓迎している注3)ことを以てEUの敗北と論じているようである注4)続きを読む

  • 2013/08/16

    真の原子力再生に必要なことは何か?
    (下)真の原子力再生に向けて

    市場原理主義の落とし穴

     前回ご紹介した失敗メカニズムの本質的構造から類推すると、MC調査の時代にはそれこそ世界の優等生であった東電原子力部門における組織的学習がおかしくなったとすれば、それは東電と社会・規制当局との基本的な関係が大きく変わったのがきっかけであろうと思えないであろうか。この疑問こそ、各種の事故調査が、そしてそもそも東電自体がしっかりと深掘りして検証すべき核心的問題であろう。 続きを読む

  • 2013/08/08

    真の原子力再生に必要なことは何か?
    (上)栄光の日々と混迷の日々

    はじめに ~東京電力の惨状

     日本ばかりか全世界をも震撼させた東日本大地震。大津波による東電福島第一原子力発電所のメルトダウンから2年以上が経つ。それでも、事故収束にとり組む現場ではタイベックスと呼ばれる防護服と見るからに息苦しいフルフェイスのマスクに身を包んだ東電社員や協力企業の人々が、汗だらけになりながらまるで野戦病院の様相を呈しつつ日夜必死で頑張っている。 続きを読む

  • 2013/07/30

    原発を止めたいと思うなら再生可能エネルギー導入を叫んではいけない

    「今日」のエネルギー供給の問題と、化石燃料枯渇後を心配しなければならない「明日(将来)」のエネルギー供給の問題が峻別されなければならない

     いま、日本のエネルギー問題を議論するときに非常に気になることがある。それは、原発事故の影響で国内の電力供給に一定の役割を果たしてきた原発電力が一時的に失われている「今日」の電力供給の問題と、化石燃料の枯渇が近くなり、その輸入価格の高騰が、この国の経済に影響を及ぼすようになってくる「明日(将来)」の問題とがごっちゃになってしまっていることである。 続きを読む

  • 2013/07/24

    海外の太陽、風力エネルギー資源の利用拡大を図ろう(その2)

     前回のコラムで、日本は、エネルギーの安定供給の確保と2050年に向けたCO2の大幅削減のため、再生可能エネルギーを大量に導入することが必要であり、そのためには海外の太陽、風力エネルギー資源の利用拡大を図らなければ、その実現は困難であることをご説明しました。 続きを読む

  • 2013/07/18

    ガス事業法と電気事業法の決定的な違い

    霞が関政策総研Blog by 石川和男からの転載。)

    資源エネルギー庁の中では、ガス事業法(昭和29年法律第51号)電気事業法(昭和39年法律第170号)はよく並び称されるし、比較されることがある。エネ庁の電力・ガス事業部が両法を所管し、関連行政を担っている。それぞれの目次を見れば何となく法体系もよく似ていると思う人は多いだろう。 続きを読む

  • 2013/07/16

    海外の太陽、風力エネルギー資源の利用拡大を図ろう(その1)

     再生可能エネルギーの導入拡大に向けてさまざまな取組みが行われているが、これまでの取組みは十分なものといえるのだろうかというのが、今回、問題提起したいことです。そのポイントは以下のようになります。 続きを読む

  • 2013/07/04

    金融界の電気事業制度改革に対する懸念

    電力各社の金融機能の低下は電気事業全体のリスクに直結する

     電力自由化は、電気事業における制度担保がなくなることを意味する。欧米諸国の電気事業者の財務格付けは、自由化の前後で、国とほぼ同等の格付けから、経営環境や個社の財務状況を反映した格付けに改定された。その結果、大半の電気事業者が、財務諸比率が改善したにもかかわらず、財務格付けを引き下げられた。 続きを読む

  • 2013/06/27

    原子力を含む国内エネルギー供給のベストミックスは幻想に過ぎない
    石炭火力を当面利用すれば、経済的な負担のない原発代替は可能だ

    電源構成の最適比率(ベストミックス)には科学技術的な根拠が存在しない

     いま、原発の存廃の議論のなかで、電源構成のベストミックスが盛んに言われている。それは、日本経済を支えている電力について、その将来の供給の安定化と生産コストの最小化などを図るために、在来の水力発電や火力発電用の化石燃料に加え、国産資源として位置付けられた原子力や再生可能エネルギー(再エネ、ただし現用の水力を除く)を最適な構成比率で求めて、それを国のエネルギー政策のなかで追求すべきだとの主張である。一見、もっともな主張のように聞こえる。 続きを読む

  • 2013/06/21

    電力市場が電力不足を招く、missing money問題(固定費回収不足問題)にどう取り組むか

     自由化された電力システムにおいては、電源の確保は、総括原価主義のような規制ではなく、市場における競争を通じて行われることが基本である。他方、日本に先んじて小売り全面自由化、発送電分離等の改革を進めてきた欧州諸国においては、昨今「単に市場に委ねるだけでは、適切な電源投資が促されない」つまり「電力市場が電力不足を招く」問題(missing money問題)が顕在化してきている。 続きを読む

  • 2013/05/13

    「電力システム改革」は「電力の全面自由化」
    その前提条件は、再生可能エネルギー固定価格買取(FIT)制度の優先廃止でなければならない

     4月2日、安倍内閣の「電力システム改革」を進める方針が閣議決定された。政府は、この電力システム改革を次の3段階で進めるとしている(3 日の朝日新聞の朝刊による)。
     ① 2015年めど; 広域系統運用機関の創設(地域を超えて電力を融通できるようにする)、② 16 年めど;電力の小売りの全面自由化(家庭や企業に自然エネルギーを売れるようにする)、③ 18~20年めど;発送電分離(電力会社の送配電部門を別会社にする)。 続きを読む

  • 2013/04/25

    電力システム改革専門委員会で置き去りにされた議論

     電力システム改革専門委員会は、1年余りにわたる議論を反映した報告書を2月に作成し、終結した。この報告書の内容に関しては、賛否両論、様々な評価が与えられているようで、議論に参加させていただいた私のもとにも、各方面からいろんな意見や感想が届けられている。そこで、私がこの委員会においてどのような主張を行ったかを紹介させていただき、その内容が妥当だったかどうかを読者の皆様に再検証していただきたいと思う。 続きを読む

  • 2013/04/09

    メタンハイドレートの試掘に成功
    メガソーラーのためにFIT 制度を適用する必要性は完全に無くなった

     3月12 日、愛知県の渥美半島沖の海底で、「燃える氷」と呼ばれる「メタンハイドレート」からメタンガスを取り出すことに世界で初めて成功したことが報じられた。翌13 日の朝日新聞の朝刊にも、待望の「国産燃料」に大きな期待が膨らんだとして、この国産エネルギー資源の開発技術の概要が紹介されていた。 続きを読む

  • 2013/02/25

    再生可能エネルギーは貿易戦争の新たな具へ
    ルール構築競争の本格化

     昨年末に拙稿「再生可能エネルギーは貿易戦争の新たな具か」を掲載いただいた。その後のフォローアップと関連した若干の論考を述べておきたい。

    1.国家プロジェクトに伴う軋轢
     
     2月7日、ウォールストリートジャーナル(WSJ)がインドの米国へ対する反論内容をニューデリー発で紹介していた注1)続きを読む

  • 2013/02/18

    リスク・コミュニケーションと不安の増幅メカニズムについて

    1.はじめに

     最近のニュースの中にリスク・コミュニケーション(リスク情報伝達)の視点から注目した事例がある。それは「イタリアにおいて複数の地震学者が、地震に対する警告の失敗により有罪判決を受けた」との報道(2012年10月)である。 続きを読む

  • 2013/01/29

    エネルギー問題とイソップ寓話

     筆者がエネルギー問題を考える時に思い出すのは、イソップ寓話「アリとキリギリス」である。やがて必ず冬がやってくるという、彼らにとって避けることのできない制約条件に、まだその気配もなかった夏の間に対応できたかどうか、それが彼等の明暗を分けた。
     エネルギーについてはどうだろうか。 続きを読む

  • 2013/01/11

    電力自由化論の致命的な欠陥

    原子力事業抜きの議論はありえない

     総選挙一色となった感がある日本。政治の行方はまさに混沌としているが、その陰で国家のエネルギー戦略の進路を決める重大な政策が進められようとしている。
     2012年9月14日、政府は「2030年代に原子力発電所稼働ゼロ」を柱とする革新的エネルギー・環境戦略を定めた。 続きを読む

  • 2013/01/09

    ゼロリスク志向と深層防護

     前回の拙稿「本当に人々は「ゼロリスク」を求めていたのか」では、「人々がゼロリスクを求めているとして、リスクがあることを知らせることを避ける風潮」があったという旧原子力安全委員長の発言に関連して、震災前(平成20年)の意識調査結果を紹介した。 続きを読む

  • 2012/12/13

    2030年に向けたエネルギー政策への期待

     2030年に向けたエネルギー政策が議論されています。原子力エネルギーへの依存のあり方が焦点となっていますが、考えなければならないことはこの問題だけでしょうか?

    エネルギー政策の選択肢

     エネルギー政策の議論の背景には、「エネルギー・環境に関する選択肢注1)」で示された2030年の電源構成に関する3つのシナリオがあります。 続きを読む