• 2013/06/11

    10年後に迫る停電の恐怖

     英国では電力自由化の結果、発電設備に対する収益保証がなくなった。ために、巨額の投資が必要でありかつ長期に亘り電気料金で収益を確保する原子力発電所、あるいは燃料価格が不透明であり、歴史的には石炭に対して価格競争力を持っていなかったために稼働率が不透明な天然ガス火力を新設する企業は今後出てこなくなる可能性が強い。既存設備の老朽が進む2020年代には停電が発生する可能性が強いと英国政府は予想している。 続きを読む

  • 2013/05/13

    電力自由化市場での発電所建設には社会主義が必要?

     自由化された電力市場では、夏場あるいは冬場の稼働率が高い時にしか利用されない発電設備を建設する投資家はいなくなり、結果老朽化が進み設備が廃棄されるにつれ、やがて設備が不足する事態になる。1年の一時期しか運転されない発電所では売電による収入が少なく、投資家が必要とする収益率を満たさないためだ。さらに問題は、発電所を建設しても長期間に亘りいつも確実に発電できる保証が得られないことだ。競争する他の電源の将来コストが予測できないために、他の電源よりコストが高くなれば、いつも市場で電気が売れるとは限らない。 続きを読む

  • 2013/04/15

    電力自由化が向かう先は総括原価主義?

     先月、英国政府の方から温暖化問題への取り組みと電力システム改革の現状についてお話をお伺いし、意見交換を行う機会があった。電力システム改革専門委員会の伊藤元重先生と松村敏弘先生も一緒に出席されていた。
     1990年に電力市場を自由化した英国では、老朽化が進む石炭火力設備が廃止された後供給力不足により停電も想定される事態になっている。電力事業者が発電設備を新設すれば良いだけの話だが、自由化された市場では新設を行うかどうかは事業収益次第になる。 続きを読む

  • 2013/04/01

    電力供給も十分にない日本経済はそれでも世界最強なのか

     書店の経済書のコーナーには、日本経済について楽観視する書籍が山積みされている。「日本経済は世界から羨ましいと言われ」るほど「最強の経済」らしい。むろん、悲観論の本もあるが、最近は楽観論が圧倒的に棚の場所を占めている。エネルギー関係の企業に勤務されている方が、楽観論の書籍を何冊か買ったと言われていた。こういう本を読むと安心するということだ。 続きを読む

  • 2013/03/19

    東京都の電力販売に感じる違和感

     東京都は保有する水力発電所からの電力を平成21年度から10年間の長期契約で東京電力に販売しているが、この電力を来年度から入札により販売することにした。3月15日にその入札結果が発表された。新電力と呼ばれる特定規模電気事業者であるエフパワー社が落札し、その価格は1kWh当たり14.5円と発表されている。今までの都の東電への売却価格は1kWh当たり約9円と報道されており、年間の都の収入は10億円から17億円に増加する。 続きを読む

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