原子力政策
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2017/03/27
最終話「IAEA事務局長」
皇帝(カイザー)の都、ウィーン
ウィーンは長きにわたり、皇帝(カイザー “Kaiser”)の都であった。
神聖ローマ帝国、オーストリア帝国、オーストリア・ハンガリー帝国と名を変えながらも、数百年にわたり、歴代皇帝を輩出したハプスブルク家のおひざ元として繁栄してきた。 続きを読む -
2017/02/24
トランプ政権のエネルギー政策の行方~原子力を中心に
本年1月に発足したトランプ政権はいまだ各省長官などのトップ人事が上院の承認が済んでおらず、さらに2月14日にフリン大統領補佐官の政権発足前のロシアとの接触が明るみになったことで辞任したことで全般的な政策そのものの行方が十分みえないままである。 続きを読む
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2017/02/06
第14話「環境外交と原子力外交」
2017年の幕開け
2017年が幕を開けた。ウィーンの元日は周知の通り、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで始まる。今年はマリア・テレジア生誕300周年、ヨハン・シュトラウス2世作曲のワルツ「美しく青きドナウ」誕生150周年、ウィーン・フィル創設175周年にあたる。 続きを読む
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2017/01/16
日本のメディアが伝えないニューヨーク州原発閉鎖の背景
1月10日の報道ステーションを始めとしたテレビニュース、あるいは共同通信配信記事で、米国ニューヨーク州のインディアナ・ポイント原発閉鎖が伝えられた。 続きを読む
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2016/12/22
第13話「核セキュリティ」
ウィーンの秋、そして冬
9月のIAEA総会が終わると、10月は比較的穏やかな秋の日が続くが、サマータイムが終わる10月最後の日曜日が過ぎ、11月に入ると、ウィーンは日がぐっと短く、そして寒くなる。オペラ、コンサート、バル(舞踏会)が開かれる、冬のシーズン到来である。 続きを読む
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2016/11/04
第12話「IAEA総会:60年の節目」
1.IAEA in Africa
8月下旬になると、ウィーンも夏休みシーズンから徐々に通常モードに戻り、一年の国際会議シーズンの幕開けとなる。
国際原子力機関(IAEA)においても、一年で最大の行事である9月のIAEA総会に向けた準備が本格化する。 続きを読む -
2016/08/10
第11話「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」
1.初夏のウィーン
国際機関が集まるウィーンでは、例年、夏休みシーズンに入る7月半ばまでの間、様々な国際会議が開催される。大変あわただしい時期である。 続きを読む
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2016/06/29
英国のEU離脱が変える原子力政策
英国のEU離脱は様々な影響をもたらすが、そのうちの一つは気候変動問題への取り組み政策だ。EU28カ国が共同で気候変動枠条約事務局に提出していた2030年の温室効果ガスの排出目標は当然見直されることになる。この辺りの話はWedge Infinityに掲載される予定なので、そちらで是非お読み戴きたい。 続きを読む
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2016/06/23
電力システム改革下の原子力事業(3)
ーわが国は今、何を考えるべきかーわが国の原子力事業が様々な不透明性に覆われていること、とくにその中でも電力システム改革によって自由化、発送電分離といった施策が行われれば民間事業者が原子力という壮大な事業を担うことは困難であり、政策的補完措置が必要とされることを見てきた。 続きを読む
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2016/06/21
電力システム改革下の原子力事業(2)
ー米国・英国における原子力の事業リスク抑制策ー※電力システム改革下の原子力事業(1)ー「戦略なき脱原発」で良いのか?ー
原子力事業は、発電の一方途と考えるにはあまりに大きな意味を持つものであり、必要性も特別ながら、維持しようと思った場合、考慮しなければならないことの幅、量ともに特別である。 続きを読む
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2016/06/17
電力システム改革下の原子力事業(1)
ー「戦略なき脱原発」で良いのか?ー本年3月末に開催された公益事業学会会主催シンポジウム「電力システム改革とエネルギーミックスー再生可能FITと原子力を中心にー」においては、今後のわが国のエネルギーを考える上で、大きな課題を抱える再生可能エネルギーと原子力の2つについて主に議論がなされた。 続きを読む
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2016/05/31
“こどもと震災復興” 国際シンポジウム報告3
風評被害払拭のこころみ※【“こどもと震災復興” 国際シンポジウム報告(1)、(2)】
災害によって引き起こされた健康影響の多くは放射線被害ではない。それを裏付けるためには定量的データが必要であるが、健康被害のすべてを測ることは困難である。その理由として、災害という混乱期に信頼できる、あるいは質の高い客観的データを収集することが難しいことが挙げられる。 続きを読む
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2016/05/27
“こどもと震災復興” 国際シンポジウム報告2
放射能に関する話題(前回は、「“こどもと震災復興” 国際シンポジウム報告1」をご覧ください)
本シンポジウムでは、原発事故を含むトリプル災害の影響を広く議論することを目的としていたが、県外から参加された方の中には放射能と甲状腺の話題だけに興味を持たれていた方も多かったようだ。 続きを読む
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2016/05/25
“こどもと震災復興” 国際シンポジウム報告1
「3.11」と呼ばれる大災害から5年以上が経過した今でも、津波に破壊された線路が復旧せずに交通を代行バスに頼っている町があることは、意外に知られていない。 続きを読む
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2016/05/24
第10話「オーストリア・ハンガリー原子力事情」
1.オーストリアとハンガリー:美しく青きドナウでつながる二重帝国の末裔
ウィーンはかつてオーストリア・ハンガリー帝国の首都であった。帝国の都としての遺産は街のあちこちに残っている。 続きを読む
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2016/05/18
もんじゅの今後の展開について
現在有馬元東大総長を座長とする「もんじゅの在り方検討会」の議論が進められており6月には答申が出る予定である。この種の有識者会議は担当省庁が予め大筋を作りその枠で答申が出ると言うのが従来の流れである。 続きを読む