執筆者:桝本 晃章

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国際環境経済研究所理事

  • 2016/04/14

    COP21の成果とこれから

    (「月刊 経団連 2016年4月号」からの転載)

    まだまだ成長が必要なアジア地域が鍵を握る

     まず、図表をよく見ていただきたい。2000年から2014年までのエネルギー起源CO2の排出状況を地域別、主要国別に見たものである。 続きを読む

  • 2015/10/22

    パリCOP21を目前にして、気候変動問題についての取り組みを考える
    書評:有馬 純 著「地球温暖化交渉の真実 - 国益をかけた経済戦争」

     主席研究員:有馬 純氏が国際環境経済研究所にWebsiteに連載をしていた「私的京都議定書始末記」が追記され、中央公論新社から新たに出版された。すでに、竹内純子主席研究員が本Websiteでも書評をしている。本のタイトルは、「地球温暖化交渉の真実…国益をかけた経済戦争」である。 続きを読む

  • 2015/04/27

    COP21・パリ会議で、議長国フランスの柔軟な姿勢は活かされるか

     先月、「COP21に向けて」と題する第四回欧州エネルギー・フォーラムが開催され、招かれて参加した。欧州以外の地域の人達の意見も聞きたいと言う主旨で声がかかったものだ。会議では、率直な意見交換があり、興味深いものであった。印象深かった点を数回に分けて紹介したい。 続きを読む

  • 2014/12/03

    再生可能エネルギー発電
    …語られない“電気の質”と“原因者負担”

    “質の悪い”お天気任せの自然エネルギー発電

     一言で、再生可能エネルギー発電と言うが、ここでは二つに分けて考えたい。バイオ燃料・小水力・地熱等の発電は、まず、ここで指摘する“電気の質”の問題はない。問題があるのは、お天気任せの“太陽光発電”と“風力発電”である。 続きを読む

  • 2014/09/08

    手元に置きたいエネルギー辞典、ダニエル・ヤーギン著「探求」
    書評

    (一般社団法人日本動力協会/世界エネルギー会議日本国内委員会発行 ニュースレター NO.38  2014年8月号からの転載)

    渾身の大作

     5年をかけて執筆された分厚い大著である。原書は721頁、日本語訳本だと918頁もある。 続きを読む

  • 2014/07/24

    これでよいのか日本!
    グラフに見る石油・ガス史上最高値の時代と日本

    敬意を表したい BP エネルギー統計:Statistical Review of World Energy

     毎年、6月に、石油開発メジャーのブリテイッシュ・ペトローリアム:BPが通称“BP統計”(“Statistical Review of World Energy”)を公表している。 続きを読む

  • 2014/03/14

    クリミア情勢とエネルギー

    経済制裁に加え、米空海軍の一部が動いた

     ロシアがロシア人保護のためといって、クリミア半島に2万人とも3万人とも伝えられるロシア軍を展開した。
     ロシア軍が動いた数日後、アメリカは、ウクライナへの内政干渉だとして、関係の米国内資産凍結や米国への渡航禁止の経済制裁を打ち出し、EUも経済制裁を始めた。6日の情報では、アメリカがポーランドにF16戦闘機12機と要員約300人を派遣するという。 続きを読む

  • 2010/12/10

    3つの視点から気候変動問題を巡る国際交渉を考える

     気候変動問題についていろいろと考えるときに、どうしても頭から離れないいくつかのことがある。問題が深いと言わざるを得ない。列挙してみたい。

    【身勝手】
     数年前に、ブラジルが「歴史的責任(Historical Responsibility)」を気候変動に関する国際連合枠組み条約(UNFCCC)の場で主張したことは記憶に新しい。過去も同様の考え方が主張され、「差異あるが共通の責任(Common but Differentiated)」という概念で共有化されている。

     しかし、国民1人当たり3万ドルを超える豊かさを享受している日米欧が、いまだその3分の1にも達しない中印に対して、気候変動問題に厳しく対応しろと要求している。これは、いかに気候変動問題が深刻な問題であるとしても、やはり、先進国の身勝手な要求と言わざるを得ないのではなかろうか。さんざん化石エネルギーを活用して豊かになってきた国々が、過去自分たちの辿った道に思いを馳せもせず、これから豊かになろうとする国々に、化石燃料を利用するなと言っているのだ。

    【植民地】
     国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)の場では、アフリカや中南米の人たちが見事な英語やフランス語を駆使して多様な意見を主張している。なかには、自らの足元を忘れたかのようにして、欧州の人たちと同じ意見を述べる人もいる。これはどうしたことなのだろう。ここで気がつくのは、かつての植民地と宗主国の関わりである。かつての宗主国は、教育と文化を通じて、いまだにかつての植民地国のリーダーの一部に彼我一体ともいえる影響を及ぼしているのだ。欧州の巧みなかつての統治は、今、こんな形で、現れている。