執筆者:前田 一郎

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環境政策アナリスト

  • 2013/12/13

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その13)
    核不拡散問題へのオバマ大統領の思い

     オバマ大統領はブッシュ前大統領の原子力積極策から転換しようとしているのだろうか。
     米国の原子力発電所新設への支援策は、2005年エネルギー政策法で実施しつくした感がある。この点で政策変更の余地は今は少ない。特に民間の電力会社が行う原子力発電所建設に対する融資(「連邦融資保証」と呼ばれる)については、実際に支援が受けられるのは数基だが、30年も動かなかった原子力新設計画が動き出した意義は大きい。 続きを読む

  • 2013/12/02

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その12)
    上院による原子力廃棄物管理法案

     ユッカマウンテンに関するオバマ政権の動きに呼応して上院では新たな原子力廃棄物管理に関する法制化の動きが始まっている。2013年4月になって上院エネルギー天然資源委員会のワイデン上院議員(民主 同委員会委員長 オレゴン州選出)およびマコウスキー(共和 アラスカ州選出)、上院歳出委員会エネルギー・水資源開発小委員会のファインスタイン(民主 カリフォルニア州選出)およびアレクサンダー(共和 テネシー州選出)が共同で2013年原子力廃棄物管理法案を提出した。 続きを読む

  • 2013/11/20

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その11)
    大統領就任以前のオバマの原子力への対応

     新規原子力発電所計画が30年ぶりに動き出している米国だが、オバマ大統領は大統領選挙期間中からユッカマウンテン処分場の計画の見直しを主張していた。その後ユッカマウンテンは、ブルーリボンコミッションという専門家パネルによる一定の審議を経て見直しをすることとなった。オバマ大統領の原子力政策はどこへ向かっているのか。大統領就任以前のオバマ氏の言動と比較しながら、オバマ大統領政権の原子力政策を分析してみたい。
    続きを読む

  • 2013/11/08

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その10)
    ブッシュ政権で進んだ原子力政策

     2000年、ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領に就任してから、米国の原子力政策は格段に進んだ。
     2001年5月にチェイニー副大統領が座長として取りまとめた「国家エネルギー政策」は、原子力を「温室効果ガスを発生しない大規模なエネルギー供給源」であると評価し、エネルギー政策の主要な柱として原子力発電を位置づけた。カリフォルニア州の電力危機や、原油価格の高騰を受けたものだ。 続きを読む

  • 2013/10/25

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その9)
    天然ガス価格に連動する電気料金

     米国の発電構成は石炭、天然ガス、原子力、水力および再生可能エネルギー等から成り立っている。すでに述べたように天然ガスは発電構成上シェアを増大している。他方、石炭・原子力についてはブッシュ前大統領時代とオバマ政権発足後ではエネルギー政策上その重みづけが異なってきている。石炭、原子力、再生可能エネルギーに対するオバマ政権の取組みと今後を考えてみたい。 続きを読む

  • 2013/10/16

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その8)
    LNG輸出を巡るワシントン政治

     地域によってはLNG輸出に懸念をもつところもある。ワシントンとエネルギー省だけをみていたらそのことを見逃す。この点注意を要する。
     環境面から地元の懸念を代表するのはエドワード・マーキー下院議員(民主党マサチューセッツ州選挙区)とロン・ワイデン上院議員(民主党オレゴン州)である。この両議員はLNG輸出の一時棚上げを主張している。ワイデン上院議員は上院エネルギー・天然資源委員会委員長である。 続きを読む

  • 2013/10/08

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その7)
    シェールガス革命を取り巻く政治情勢

     シェールガスの生産拡大についてはこれまで随時述べてきたが、何といってもその直接意味するところは電源ミックスにおけるシェアを増大したことである。2012年4月には米国史上初めて天然ガスが発電の32%に達し、石炭火力による発電とほぼ同等になった。このことは国内の環境規制、他のガス生産国への影響、同じ頁岩層から採取されるタイトオイルの増産によるエネルギー自給政策などさまざまな意義をもっており、その増産の可能性は、「成長の限界」への挑戦ととらえる議論もみられる。 続きを読む

  • 2013/09/27

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その6)
    大統領選で見えた共和党との微妙な政策の違い ~環境面

     前節で紹介した2012年10月MITでおこなわれたオバマ大統領のエネルギー環境アドバイザーのアルディー氏とロムニー候補のエネルギー環境アドバイザーキャス氏の論戦の中から環境面に注目して両者の相違点を見出したい。 続きを読む

  • 2013/09/18

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その5)
    オバマ第二期政権の政策の方向性

     第一期オバマ政権におけるエネルギー環境政策は前々回紹介したようにアメリカ進歩センターの影響が強かった。それはオバマ大統領とポデスタ補佐官との個人的人間関係が大きかったためだが、第一期政権の途中でアメリカ進歩センターの影響力は減り、多くの政治任命の要人を排出した未来資源研究所(RFF)も含め、いわゆるシンクタンクの影響力そのものがなくなり、第二期は第一期の後半から含め、産業ロビイストの影響が強くなっている。 続きを読む

  • 2013/09/12

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その4)
    景気対策法における環境・エネルギー投資

     オバマ氏は大統領選直後から、議会に対し、3000億ドル規模の景気を刺激する立法措置を要請した。エネルギー面でオバマ大統領の要請したのは、再生可能エネルギーのむこう3年間の供給量倍増、再生可能エネルギーのための3000マイル(4800キロメートル)以上の送配電網建設、連邦建物の75%以上の省エネ、250万軒以上の断熱強化であった。 続きを読む

  • 2013/09/05

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その3)
    理想的過ぎたアメリカ進歩センターの主張

     アメリカ進歩センターが2007年11月27日に掲げた「エネルギーチャンスをとらえて――低炭素経済の創造(Capturing the Energy Opportunity: Creating a Low-Carbon Economy)」という報告書を具体的に各項目をみていこう。
     排出枠量については、全量をオークションすることを主張。これにより年間750億ドル(2009年2月発表の予算教書では800億ドル)の収入を見込んだ。 続きを読む

  • 2013/08/22

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その2)
    景気対策法とエネルギー政策

     オバマ大統領の最大の課題はなんといっても100年に一度ともいわれる経済危機への対処である。米国発の金融危機が世界に波及し、米国内ではリーマン・ブラザーズを含む金融機関が次々と倒産し、公的資金が注入された。また米国を代表する基幹産業である自動車会社3社のうちゼネラルモーターズ(GM)、クライスラーの2社が倒産し、再編を迫られる事態となった。 続きを読む

  • 2013/08/12

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その1)
    はじめに

     オバマ大統領は2012年の再選に向けた大統領選挙を有利に展開することができた。米国の多くの州は大統領選において伝統的に民主党の強い州と共和党が強い州にはっきりと色分けされる。それ以外のいわゆるスウィングステーツと呼ばれる選挙ごとに候補者次第で投票結果の異なる州がある。フロリダ、オハイオ、ペンシルバニア、ヴァージニア、アイオワ、ミシガンなどの州である。周知のとおり、米国では過半数を得た党が「大統領選挙人」の全部の票を獲得するので大統領選挙人が多く割り当てられたスウィングステーツの動向はきわめて重要である。 続きを読む

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