スマートメーター


YSエネルギー・リサーチ 代表


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 拙宅の電気メーターがスマートメーターになってからほぼ一か月が過ぎた。これまで、電気メーターの取り換えは、10年の検定満期が来た時に行われることになっていて、拙宅の場合、2年ほど前に取り換えられたところだから、スマートメーターになるのはかなり先になるはずだった。しかし、可能ならば自分で体感してみたい。そこで、関西電力が設定している時間帯別料金(ハピeタイム)に切り替えれば、スマートメーターに変更されるだろうという発想で、契約の切り替えを依頼。窓口の人はこれまでの電気消費量を調べ、年間の電気代が高くなるかもしれないと親切に知らせてくださった。この料金契約はもともと電気による給湯器を使っている世帯のために準備されたもので、電力需要が少ない夜間に電気給湯器でお湯を沸かすのを奨励するために夜間の料金単価を低くし、ピーク時間帯には高くしてエアコンなどの稼働を抑制するためのものだったので、ガス給湯器を使っている場合には必ずしも適切ではなかったのだ。メーターがスマートメーターに取り換えられるということは確認できたので、多少高くなるのは情報コストだと考えて契約内容を切り替えた。

 数日後にメーター取り換え作業があったのに立ち会ったのだが、20分ほどで作業は終わり、現物を見ることができた。これまでのメーターに付いていた金属の回転盤がなくなり、液晶の表示板で消費量が表示されるだけになっているが、外観的に大差はない。作業員に質問してみたが、これには無線通信機能が内蔵されていて、30分ごとに消費データが関西電力に送られるようになっているということだった。現時点では屋内にいわゆるHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)端末を取り付けてはいないので、メーターが出すデータを受けてリアルタイムで電気の消費量を自分で確認することはできない。だが、半月ほど後のある日、これまでもよくアクセスしていた関西電力のホームページから自分の電力使用量と料金を見ることができるサイトに入ると、時間別のデータが見えるようになっていた。希望の日を指定すると、24時間分について棒グラフで表示してくれる。契約変更の時期の関係で、暖房時期に入ってからの表示しかないが、2人世帯であるし、暖房に電気のエアコンは使っていないために照明用が主となり、それに電気冷蔵庫、電子レンジ、電気洗濯機などが含まれるだけだから、日ごとの電力消費量にあまり大きな差はない。それが大きく変動した日を調べると、息子の家族が来てくれたなど、普段とは違ったことがあったということが分かる。

 サンプルとして平日である12月3日の表示をコピーしてお見せしている。このデータを何日間か比較してみると、不在の時間が長かった日には一日の消費量が下がると同時に、外出している時間帯の消費量がぐっと低くなっていることが分かる。我が家の電気の使い方も気にするようになった。データは電波で関西電力の受信端末まで送られるため、人の手による検針作業が不要になるし、検針員が投げ込んでくれていた電気料金お知らせ票もなくなる。来年の4月から始まる電力小売り自由化の時になって別の事業者に変更するとすれば、切り替えは検針員が足を運ぶ必要もなく瞬時で行われるはずだ。米国のスマートメーター取り付けは日本よりはるかに進展しているが、EU諸国では進度が国ごとに異なっていて、ドイツはこれからだし、イタリアでは既に取り付けが終わっている。日本でも2024年までにほぼ全部の需要家に取り付ける予定になっているが、電力市場の自由化に伴って多様なサービスが生まれると、それに対応するために早められる可能性もあるだろう。

図1

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