2015年5月のアーカイブ
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2015/05/29
2030年度電源構成のなかの再生可能エネルギー(再エネ)比率の意味を考える(その2)
当面、石炭火力を利用すれば、再エネ電力の利用は不要である電源構成のなかの再エネ比率が、故意に原発電力比率と結びつけられている?
4月28日(2015年)に発表された経産省の2030年度の電源構成案を3.11の事故の起こる前(2010年度)の電源構成の値と対比して表2-1に示した。 続きを読む
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2015/05/28
CO2削減目標△26%をどう「位置づける」べきか
政府は2030年に2005年比で26%の温室効果ガス削減という数値目標を提示した。だがこれは、コストをあまり考慮せずに積み上げた数字であって、最大限努力した場合の「削減ポテンシャル」と見るべきである。 続きを読む
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2015/05/28
米国のCCSプロジェクト(3)~フューチャー・ジェン(未来の発電)プロジェクトの試行錯誤
(前回は、「米国のCCSプロジェクト(2)~CCS商用化・普及に向けた課題、取り組み」をご覧ください)
エネルギー省(DOE) は 2010年8 月 5 日、イリノイ州ジャクソンビルに、 CCSを併設した 200MWの酸素燃焼石炭火力発電所を建設する「フューチャー・ジェン(FutureGen)2.0」プロジェクトを発表した。 続きを読む
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2015/05/27
総選挙後の英国のエネルギー環境政策
5月7日の英国総選挙は、保守党、労働党ともに過半数を割り込み、ハング・パーラメントになるとの世論調査の予測を大きく裏切り、保守党が単独過半数を占めることとなった。保守党と連立を組んでいた自民党は壊滅的な敗北を喫し、エド・デイビーエネルギー気候変動大臣も議席を失った。 続きを読む
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2015/05/27
2030年度電源構成のなかの再生可能エネルギー(再エネ)比率の意味を考える(その1)
不条理なFIT制度に引きずられた再エネ電力の利用は実現不可能である2030年度電源構成の再エネ比率が発表されたが
経済産業省(経産省)が4月28日(2015年)の有識者会議で、2030年の電源構成(エネルギーミックス)案を示したと報道された (朝日新聞2015/4/29)。 続きを読む
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2015/05/26
米国のCCSプロジェクト(2)~CCS商用化・普及に向けた課題、取り組み
(前回は、「米国のCCSプロジェクト(1)~技術の概要」をご覧ください)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書第3作業部会の報告書によると、産業革命前 に比べて世界の気温上昇を2℃未満に抑えるためには、 続きを読む
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2015/05/25
京都議定書の「呪縛」を解き放て
(産経新聞「正論」からの転載:2015年5月15日付)
今年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に臨む日本のあるべき基本姿勢とは何か。 続きを読む
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2015/05/22
米国のCCSプロジェクト(1)~技術の概要
世界はエネルギー消費の約5分の4を化石燃料に依存しているが、気候変動を抑制するためには、大気に排出されるCO2を回収・貯蔵する技術(CCS=Carbon Dioxide Capture and Storage)が不可欠であるとIEA(国際エネルギー機関)などの国際機関が提唱するなど、世界的にCCS技術開発への期待が高まっている。 続きを読む
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2015/05/21
原発訴訟に思う-エネルギー・温暖化関連報道の虚実(15)
少し前になりますが、原発関連訴訟について、二つの対照的な仮処分決定が出ました。高浜原発3、4号機差し止め仮処分申請と、川内原発のそれです。前者は福井地裁、後者は鹿児島地裁であり、前者は原告勝訴、後者は原告敗訴でした。 続きを読む
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2015/05/20
再生可能エネルギー大量導入時代の電力需給を考える(1)
先日5月11日(月)に東京大学駒場リサーチキャンパスでエネルギー工学連携研究センサー主催第21回CEEシンポジウム with NEDO「再生可能エネルギー時代の電力需給の新たな調整資源を考える」を聴講しました。 続きを読む
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2015/05/19
太陽光発電と蓄電池の組み合わせの普及
太陽光発電設備のコストの下がり方が急激であることはこれまでの実績が示しているが、蓄電池価格が実用的なレベル、特に住宅などに使われるほど下がるのにはまだ時間がかかると最近まで考えていた。 続きを読む
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2015/05/18
オバマが石炭への戦争を仕掛けられるわけ
◎本稿は、IEEI理事・常葉大学経営学部教授の山本隆三氏と共同執筆したものです。
オバマ大統領の指示により、環境保護庁が既存と新規の石炭火力発電所に対する二酸化炭素排出量の厳しい規制を実施することになった。 続きを読む
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2015/05/15
進む高齢化、省エネは健康志向をめざそう!
久しぶりにダイアリーを更新します。今年も4月に新入生を迎え、新歓コンパなどの賑わいもあり、駒場キャンパスは活気にあふれています。オーラあふれる学生の彼らを見ているだけで、「私も頑張ろう!」という気持ちになります。(パワーは伝染していくのですね!) 続きを読む
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2015/05/13
「クリーンパワープラン」~石炭火力に厳しい新規制(2)
(前回は、「「クリーンパワープラン」~石炭火力に厳しい新規制(1)」をご覧ください)
2013年9月20日、環境保護庁(EPA)は、CO2排出制限を含む新設設備のパフォーマンス基準(NSPS:New Source Performance Standards)を公表している。 続きを読む -
2015/05/12
経済成長と温暖化対策の両立ーデカップリングは本当か?
デフレ脱却が日本の温室効果ガス削減の条件4月下旬に、欧州連合(EU)の東京代表部で駐日EU大使、フランス大使、英国大使、ドイツ大使、スウェーデン大使、デンマーク大使などによる気候変動政策に関するシンポジウムがあった。 続きを読む
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2015/05/01
水素社会を拓くエネルギー・キャリア(最終回)
エネルギー・キャリアの開発利用の進め方これまで4回に渡ってMCH(メチルシクロヘキサン)、液体水素、アンモニアの3つのエネルギー・キャリアについてご紹介してきた。【表1】にそれらの特徴をまとめてみよう。 続きを読む