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松井英生・石油連盟専務理事に聞く[後編]

震災を教訓に、石油製品の平時からの利用と備蓄の体制づくりへ転換を


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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日本は、国民の心を夢ある明るいものにしていくことがとても重要
人々がもっと活動することで経済を活性化させる。

――今後、日本はどうあるべきだと思いますか。

松井:まず、国民の心を夢ある明るいものにしていくことが、とても重要だと思います。エコで倹約する生活がかっこいいとなると、縮んでいくしかないわけです。一人ひとりが明るい夢を持って活動する。活動はエネルギーですね。活動しないと経済は活性化しません。

 たとえば、この夏は過剰に節電しました。電力需要がピークを迎える昼間に節電すべきであり、夜は節電しなくてもいいのに、政府に協力するのだと過剰に節電し、夜にお店も暗くして、街に行ったら真っ暗でした。暗いなかを歩くと怖いでしょう。気持ちを明るく持って、皆で積極的に活動することが大事です。

――まずは国民の意識や行動を変える必要があるということですね。

松井:車で楽しむこともいいと思います。約3年前にある研究所が行ったアンケート調査で、大学生に「土日に何をしていますか」と聞くと、47%が「家にいる」と回答しました。テニスをしたり、スキーをしたり、海水浴に行ったり、旅行に行く人が非常に減っています。

 たとえば、「コロプラ」というゲームサイトがあります。一般のネットゲームは人を家に閉じ込めますが、コロプラは人を外に出すゲームです。お店を登録させて、そのお店に回ってくるとポイントがついて、ゲームのアイテムがもらえます。私はこれをガソリンスタンドに応用したらいいと思っています。ガソリンスタンドが自分の近くのお店を登録して、ガソリンスタンドでガソリンを入れて登録したお店を訪れたらポイントをもらえて、そのポイントで人々の関心のあるサービスを受けられるようにするというものです。

 最近、昔の音楽がリバイバルしています。その音楽を聴いていると、詞の中に必ず車が出てきます。「ドライブ」「中央フリーウエイ」「ドライブイン」というように。最近の詞には車は一切出てきません。

――言われてみればそうですね。

松井:車で活動することが、当時のライフスタイルのなかで高い価値があった。カーライフをエンジョイすることが生きている証であり、夢であり、目標だった。今、それがなくなってしまい、非常にさみしいと感じます。経済を活性化するためには、皆、動かないといけません。活力ある明るい経済社会を創っていくためには、政治、産業界、マスコミが共通の問題意識を持つことから始めることが重要だと思います。

【インタビュー後記】
 東日本大震災では、石油業界は被災地に石油製品を供給するという大きな役割を果たしました。私たち自身も、灯油やガソリンがどんなに必要なのか、その有用性を再認識しました。平時から石油製品を利用し、備蓄することが緊急時の備えになるというお話を伺いましたが、災害に強い町づくりが問われる今、改めてエネルギーのサプライチェーンの強化を図る政策が必要だと感じました。

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