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再生可能エネルギーは原発を代替できるか


国際環境経済研究所主席研究員、JFEスチール 専門主監(地球環境)


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過小評価されている太陽光発電コスト

3月24日追記記事
上記記事を紹介した後、ブレークスルー研究所に対し、Grist誌のMims記者から原発の建設費に関する問い合わせがあったので追加試算を行った。原発の建設費は1kWあたり3000~7000ドルとされており、安全サイドを見て6000ドルとしたときの福島第一規模の原発建設費は270億ドル(2.2兆円)になる。加えて、EIAによると原発の補修・維持費が1kW時あたり3.3セント(2.7円)かかるとされていることを考慮すると、福島第一の稼動以来の総建設・維持コストは265億ドル(2.2兆円)となり、建設維持費用の総計が535億ドル(4.4兆円)になる。一方、福島第一と同規模の発電電力量を太陽光発電で供給する場合の総費用は、直接投資額が少なくとも1450億ドル(12兆円)、補修・維持費としてEIAによる太陽電池の補修費1kW時あたり1.1セント(0.9円)という見積もりを使うと、96億ドル(8000億円)が上乗せされ、総計約1550億ドル(12.8兆円)となり、原発の約3倍の投資が必要となる計算となる。
(原文:http://thebreakthrough.org/blog/index.shtml?page=2

 上記論考では、原発なみの発電電力量を太陽光発電で代替する場合のコストを見積もっているが、この試算で一つ欠けている視点は、原発が24時間継続的に発電するのに対して、太陽光発電は昼間の好天時にしか発電しない不安定な電源であるという点である。つまり太陽光から発生する電力を雨天時や夜間に安定的に供するためには、上記の試算に加え、巨額の蓄電設備投資、系統安定化対策投資が必要となるということである。福島原発規模の給電を実際に太陽光で代替するには、上記試算の12.8兆円を大きく上回る投資が必要になることが想定される。