第4回 トヨタ白川郷自然學校


国際環境経済研究所理事・主席研究員

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 夕食を楽しんだ後に、もう一つのプログラム「囲炉裏deナイト」に。宿泊施設のすぐそばにある、築60年の合掌造りで囲炉裏を囲んでインタープリターのお話を伺います。合掌造りにみる昔の日本人の驚きの知恵と工夫、インタープリターの方たちが村のおばあちゃんに聞いてきた白川村に伝わる昔話を、囲炉裏の火を見ながら伺っていると、異次元に来たかのような、夢の中にいるかのような錯覚にとらわれます。まさに旅の醍醐味を味あわせていただきました。

囲炉裏端でチロチロと燃える火を見ながら、昔話を聞く贅沢な時間。白川村に来てこのプログラムに参加しなければモッタイナイです!絶対に!! 囲炉裏の火でくるみを炒って出してくださいました。赤い盃に注いで下さったのは白川村名物どぶろく。右はくろもじのお茶です。

 自然を思う心を醸成する場の提供は、いま、確実に企業に求められる取り組みではあるものの、効果がすぐに出るものでもなく、また、効果を測ることもとても難しいのも事実。それでもこうした取り組みを息長く続けていくことは、間違いなく企業の「環境力」として高い評価につながっていくことでしょう。

昨年トヨタ白川郷自然學校は、「第二回いきものにぎわい企業活動コンテスト」で環境大臣賞を受賞されたそうです!「名誉なことでありがたく思っていますが、来て下さったお客様の『楽しかった!』の方がうれしいかな」という加藤さんは、根っからのインタープリターなんですね。

 総支配人の野崎さんは「白川村は霊峰白山のふもとに位置していて、地域一帯を見れば、まだまだ発信できていな魅力がたくさんある。合掌集落だけでないこの地域の魅力を通じて、人と自然の関わりのあり方を考えていただき、それを日々の生活に持ち帰ってもらえるようにしたい。3年後の10周年を楽しみにしていてください」とさらに高い目標を掲げておられました。
 「分担はあるけど、お互いカバーしあっています」と仰るスタッフの方々に、ここに新たな「結」精神が根付き始めていることを感じつつ、3年後にまた必ずお邪魔しようと心に誓いながら白川郷を後にしました。トヨタ白川郷自然學校の皆さん、温かい時間をありがとうございました!

昨日囲炉裏でナイトのプログラムはこの合掌造りの下山家で行われました。
屋根のふき替えに備えて、茅場の復元にも取り組んでいるそうです。
その作業には、トヨタ自動車社員やOBの参加するトヨタボランティアセンターや、学生さんたちが
関わってくれているそうで、結の心が自然學校を拠点に全国に広がっていることを感じました。
一年で最も厳しく、そして美しい冬。もう間もなくこうした景色が見られます。
ぜひトヨタ白川郷自然学校を拠点に、冬の白川村を訪れてみてください。

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