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世界の気温は本当に上昇するのだろうか?


気候研究者


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 2021年1月14日、国連の専門機関の世界気象機関(WMO)は2020年の世界平均気温について、「2020年は、太平洋(Pacific Ocean)赤道域の海面水温が平年より低くなるラニーニャ(La Nina)現象が発生したものの、それにより気温上昇に歯止めがかかったのは20年の終盤のみである。世界気温の高かった上位3年は2016年、19年、20年で、各年の違いは、ほぼ無いに等しい」と指摘し、「2020年の世界の平均気温が2016年と並び、観測史上最高となった」と発表しました。
 アントニオ・グテレス国連事務総長は、世界の気温が今世紀中に3-5度上昇する「破滅的」状況になる見通しだと警告するとともに、急速に進む気候変動が人々の生活を破壊していると指摘しました。
https://www.afpbb.com/articles/-/3326358

 次図は、大気中のCO2濃度と英国気象庁ハドレーセンター/イースト・アングリア大学気候研究ユニットが発表している地表気温グラフ(HadCRUT4)を比較したものですが、国連事務総長の「今世紀中の気温上昇が破滅的状況になる」という言葉は本当にそうなるのでしょうか。


出典:https://www.climate4you.com/
上記のサイトで「Temperature and CO2」をクリック。

 HadCRUT4のグラフにおいて、1997-98年のピークと2015-16年の2つのピークは、海洋振動のエルニーニョの影響によるものです(下図はエルニーニョ指数;エルニーニョについての説明は気象庁を参照)。1998-2013年の15年間はHadCRUT4の地表気温はやや低下気味であり、ハイエイタス(hiatus)と呼ばれてIPCC派学者たちを悩ませてきました。

 ところが、2014年夏から2016年春にかけて強いエルニーニョ現象が発生し、2015年5月ごろから気温が急激に上昇し始めましたので、自説と矛盾するハイエイタスに苦悩していたIPCC派学者たちは、「温暖化が再開した」と喜び、英国気象庁は「大きな変化が起きた可能性がある」と発表し、日本の気象庁も研究に着手しました。
https://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/151205/evt15120516160018-n2.html

 2015年11月9日の声明で世界気象機関(WMO)のジャロー事務局長は、「今後は気温が上昇し、熱波や洪水などの異常気象が増加するだろう。地球は恐ろしい速度で未知の領域に突進している」と発表しました。
 しかしながら上図に示すように、エルニーニョ終了によって2016年7月には気温が下がっています。その後もまたいったんエルニーニョで気温は上昇しましたが、2020年11月にはまた下がっています。今後の動向が注目されますが、もしもまたハイエイタスに戻り気温上昇が停滞したら、これらの学者たちは一体どんな言訳をするのでしょうか。IPCCのCO2温暖化説によって、世界および日本が巨額の経済的損失を蒙っていることを考えると、「御免なさい」で済む話ではないと思われます。