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JFEグループの気候変動問題へのチャレンジ


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 JFEグループは、本年を気候変動問題へのさらなる対応強化の節目の年と位置付け、JFEグループとしてのCO2削減目標を設定し、カーボンニュートラルに向けた取り組みを推進していきます。持続可能な社会を実現するために、JFEグループにとって、環境負荷の低減や気候変動問題への対応は非常に重要な課題です。私たちは、これらを極めて重要な経営課題の一つと捉え、持続的な企業の成長に向けて取り組んでいます。
 JFEスチールをはじめとする日本の鉄鋼業は、世界の鉄鋼メーカーの中でもトップクラスのエネルギー効率を有しており、環境にやさしく社会基盤を支える素材、「鉄」を供給しています。鉄の製造時の環境負荷は他素材に比べて非常に少ない一方、その莫大な生産量のためにトータルのCO2は非常に大きくなってしまうことから、日本鉄鋼連盟としてパリ協定中期目標達成に向けて、低炭素社会実行計画を推進しています。JFEスチールも中核メンバーとして積極的に参画して2030年を目標年次としたCO2の削減に取り組むとともに、2030年以降の「ゼロカーボン・スチール」の実現に向け、超革新技術の研究開発に業界全体で取り組んでいきます。これらの取り組みには、これまで同様、主体的に参画してまいりますが、本年は、JFEグループ個社としての取り組みを強化していきます。

カーボンニュートラルに向けたJFEグループの戦略と目標 ~新たなステージへ~

 JFEグループは、厳しい経営環境の変化に柔軟かつ適切に対応できる強靭な企業へと進化し、持続的な企業価値向上を実現するために、経済性の面では国内最適生産体制の構築に向けた構造改革を、環境・社会面では持続可能な社会の実現に向けたESG課題への取り組みを推進しています。特に環境面では、昨年度、TCFDが提言している「シナリオ分析」を用いて気候変動問題に対する課題を特定し、リスク対応のみならず機会の獲得を含めた持続的な成長に向けた戦略策定を進めました。これに加え、本年を気候変動問題へのさらなる対応強化の節目の年と位置付け、JFEグループとしてのCO2削減目標を設定し、目標達成に向けた取り組みを従来にも増して積極的に推進していく考えです。
 まず、2030年に向けて、グループのCO2排出量の大部分を占める鉄鋼事業において、2030年度のCO2排出量を2013年度比で20%以上削減することを目指し、既存技術やさまざまな革新的技術等を最大限に活用して、実現可能なシナリオの検討を推進していきます。また、長期的には、2050年までのできるだけ早い時期に、カーボンニュートラルを実現する新技術のメニューを提示できるよう研究開発を加速させ、2050年以降のできるだけ早い時期にJFEグループのカーボンニュートラルを実現すべく、取り組んでいきます。

イノベーションの創出に向けたJFEグループのチャレンジ

 これらの目標を確実に達成するためには、革新的なイノベーションの創出が重要なポイントです。そこで、JFEグループは、「チャレンジ・ゼロ」を通じて、気候変動問題に対するリスクへの対応、機会の獲得の両面に資するイノベーションの創出に積極的に取り組んでいきます。以下、JFEグループの主なチャレンジの概要を紹介します。

【JFEスチール】
 JFEスチールは、これまでにさまざまな省エネルギー・CO2排出削減技術を開発し、製鉄プロセスに適用することにより、世界で最高レベルのエネルギー効率で鉄鋼製品の生産を行っていますが、さらなるCO2削減による地球温暖化対策に取り組んでいます。
 革新的製鉄プロセスであるフェロコークスは、高炉内での鉄の還元効率を改善し、CO2排出量を大幅に削減する画期的な高炉用原料であり、国や鉄鋼連盟と協力して技術開発を推進しています(図1)。現在、フェロコークス製造量300t/日の中規模パイロットプラント設備をJFEスチール西日本製鉄所(福山地区)に建設し、実証試験を開始するところです(写真1)。

図1.フェロコークス プロセスフロー

  

写真1.フェロコークス 中規模パイロットプラント設備 
JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)

 また、製鉄プロセス(高炉)から排出されたCO2を分離・回収し、得られたCO2をメタノールなどの有価物に変換して有効利用(CCU:Carbon Capture and Utilization)するための研究開発にも、国内鉄鋼メーカーの中ではいち早く取り組んでいます。
 鉄鋼スラグ製品は、CO2削減や海域環境改善を通した生物多様性の保全に役立つ優れた製品です。「マリンブロック®」などの鉄鋼スラグ製品を製造する際にCO2を固定化するとともに、これらの製品を沿岸域に設置することで海域の生物生息環境を改善します。また、脱炭素社会の早期実現に資する製品という観点からは、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の実用化に向けて、負極材の開発、高性能化にも取り組んでいます。
 その他、日本鉄鋼連盟「ゼロカーボン・スチール」の実現を目指した水素還元などの超革新技術の開発も進めていきます。

【JFEエンジニアリング】
 JFEエンジニアリングは、主に「環境」「エネルギー」分野のインフラに注力しており、SDGsへの取り組みを通じて企業価値や競争力を高めながら、持続可能な社会構築への貢献を図っています。
 その取り組みの一つとして、「多拠点一括エネルギーネットワークサービス(JFE-METS)」を商品として展開しています。JFE-METSは、これまでの視点を変え、拠点単位ではなく事業者単位やエリア単位など複数の拠点でのエネルギー消費実態を分析し、各拠点に全体最適となるエネルギー関連設備を配置し、遠隔地も含めたエネルギー融通を実施することで、総合的に省エネとなるエネルギーサービスを提供するものです。当社は商品としてのJFE-METSを展開・普及する事で、2050年までに年間100万tonレベルのCO2排出削減を目指します。
 もう一つの取り組み例として、「低温排熱を用いた無排水化プロセス」の開発を進めています。これは当社独自の感温性給水材と膜を利用した正浸透システムで、工場排水を全量再利用して環境へ排出しない無排水プロセスであり、渇水対策や環境対策の面から注目を集めているものです。
 その他、水素キャリアとして注目されているアンモニアを燃料とした舶用ディーゼルエンジンの開発等、カーボンニュートラル実現に向けたさまざまな取り組みを推進しています。

JFEグループの持続的な成長に向けて

 JFEグループは、激しく変化する経営環境に適切に対応し持続的な成長を実現するため、本年を新たな挑戦に向かう重要な年にしていく考えです。そして、グループの総合力を生かしたさまざまなソリューションにより、気候変動問題の解決に向けた新しいステージへの一歩を踏み出し、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。



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