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第5回(後編)日本製紙連合会 技術環境部 専任調査役 池田直樹氏/株式会社日本製紙グループ本社 技術研究開発本部 エネルギー事業部長 野村治陽氏

製紙業界の循環型社会と創エネへの貢献。電力自由化に向けた動きも加速


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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もっと開かれた電力卸売市場に改善してほしい

――今後のPPS事業の展開として、小売りにも関心がありますか?

池田:日本製紙もPPS、王子製紙は工場としてそれぞれPPSの取得はしていますが、エネットやダイアモンドパワーのようないわゆる小売りを目的としてPPSに参入するのとはちょっと違います。PPSになったからといって、我々が小売りをしようということではないと思います。

野村:弊社としてもないです、今は。

池田:関係会社かグループ会社か、もしくはやっても大口の特定のところに対して電気を卸すことはあると思いますが、一般家庭などの小さいところにPPSとして電力を提供することは、たぶんやらないし、できないと思います。人手もかかりますし、システムを構築しなくてはなりませんので。

――PPSと一言に言ってもいろいろですね。

池田:ある範囲の中で、PPSになったほうが動きやすいから資格を持つという動きに業界としてはなるでしょう。その中での制約は、同時同量や、トラブルが起きた時のバックアップの電源をどうするかなどです。電力卸売市場を活性化するためには、簡単に電力が余ったら出せる、足りなかったら持ってこられるというように、需給のバランスで価格が上下する仕組みを作ることだと思います。

――望ましい卸売電力市場とはどういうものでしょうか?

池田:これまでの電力卸市場は、PPS事業者も市場に入り、さまざまな電気の融通をするようなことは、全くと言っていいほどできていませんでした。現在のように電力の需給が逼迫する状況で、我々のようなPPS事業者が余剰電力を提供するのならば、卸売市場はもっとレベルを下げて、参入しやすくしてほしい。売買ももっと簡単にできるような制度にしていただかないと入っていけないし、入っていかなければ今までと何も変わらないでしょう。例えば予定していた余剰電力を自家発のトラブルで提供できないような事態でも、緊急に卸売市場から手当てができるような柔軟な体制を望みたい。

 さらに、卸電力取引の「見える化」も必要です。卸売価格は、需給によって動いてしまうため、価格の変動がリアルタイムで見えないとPPS事業者としても上手く対応できません。「見える化」が進み、電力卸市場の透明性が高くなれば、様々な事業者の参入も期待できるでしょう。そこで競争が働けば、電力卸価格も下がるインセンティブになるのではないかと思います。



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