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第1回 石油連盟専務理事 松井英生氏

「石油」を分散型・自立型エネルギーとして位置づける政策を


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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エネルギー問題は、国のありようが問われる。責任ある人が国益を担うのだという心意気を持って決断すべき最重要問題

――エネルギーに携わる立場から、今後の日本のあるべき姿についてどのようにお考えですか。

松井:エネルギー問題は、単に消費者なり企業がエネルギーを享受することに留まらない、大きな問題を抱えています。国のありよう、国と国の関係などに一番影響するのがエネルギー問題です。第二次世界大戦に日本が参戦せざるをえなかったのは、石油の確保という問題が一番大きな契機だったと聞いております。

 最近領土問題が大きな課題なっていますが、外交力や国の力というのは、一つは軍事力ですが、次はエネルギーを基盤とした経済力です。軍事力に限界がある我が国においては、経済力がなければ外交力は掴めません。経済力があることにより、国際社会において発言力ができる。経済力があることにより、他国との間で、投資をしたり輸出入をしたりといった相互依存関係をつくることができる。それをもとに、他国との間で企業と企業、そして個人と個人との信頼関係ができる。それを通して国と国との相互信頼関係・相互依存関係が構築されて国際社会が作られているわけです。つまり我が国にとって一番重要なのは、エネルギーを基盤とした経済力だと思います。

 国際社会における我が国の立場を強固なものにしていくためには、まずエネルギー問題を戦略的にきっちり構築していくことが重要です。これをやらないと、今起きている領土問題はさらに悪化し、国際社会における我が国の立場は極めて危険な状況になっていくでしょう。エネルギー問題は、その影響する分野が極めて多岐にわたり、かつ複雑ですので、広く国民の意見を聴くことは重要だと思いますが、多数決で決めるのではなく、責任あるポジションについている方々が全責任を持って、国益を担うのだという心意気をもって最後に決断をすることが重要だと思います。その過程では、エネルギー供給事業に携わる企業の意見も十分に斟酌していただきたいと思います。

 最近国民の間では「もう日本はダメだろう」という意識が蔓延していると思われます。確かに、GDPで中国に抜かれ3位になり、一人当たりGDPでは近年は20位前後に落ち、OECD30か国の中で下位から1/3程度の位置におります。日本人が、自分たちに自信を失っているのだと思いますが、戦後の復興でもその後の高度経済成長の時代でも、日本の能力は極めて高かった実績があるわけですから、自信を取り戻して我が国の英知を結集して前向きに取り組んでいくことを期待いたします。
 特に若い人の間で希望、夢、元気、活力がなくなっていると思います。車に乗るのも一つの活力になりますから、車の免許も取って、元気に活力を持って活動してほしいと思います。車で外出して活動して、家で節電するというのも良いのではないですか。IT化が進み、家にじっと籠ってパソコンばっかり叩いて。それで本当に楽しい人生送れるのか、と私は疑問に思います。若い人を中心に外に出て活動して、活力ある明るい経済社会を作り、皆で頑張って国力を上げていきたいですね。

【インタビュー後記】
『識者に聞く~ポスト震災日本はどう動くか』でもインタビューさせていただきましたが、松井さんはあれからずっと石油業界の立場から積極的に発言されています。大震災で石油のありがたさを痛感した私たちですが、最近のエネルギー論争では、原子力発電と再生可能エネルギーの二項対立で語られることが多いのは残念です。今回お話を伺い、日本のあるべき姿を考える上で、真のエネルギーのベストミックスとは何なのかを改めて考えさせられました。それから、エネルギッシュに動き回り、活力ある日本を作っていきたいですね!

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