2012年6月のアーカイブ

  • 2012/06/27

    日本版再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)について

     再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT : Feed in Tariff)が本年7月1日からスタートする。再生可能エネルギーは、地球上に膨大に存在し、化石燃料のように枯渇することもなく、発電段階でCO2も排出しない。また再生可能エネルギー関連産業は、「グリーン産業」として将来大きく発展、新たな雇用も生むと期待されている。 続きを読む

  • 2012/06/27

    原子力損害賠償法の改正に向けて③

    現行の対応スキームの整理

     現在、原子力損害賠償がどのようなスキームにおいて行われているのか、全体像がつかみづらい状況になっている。東京電力の電気料金値上げに関連して「事故の補償費用も含まれているのではないか」といった声もよく聞かれるため、今回は現行の対応スキームを整理しておきたい。 続きを読む

  • 2012/06/26

    「この国のかたち」を見据えた エネルギー・環境の長期ビジョンの構築を

     今夏、政府のエネルギー・環境会議が2030年に向けたエネルギーミックスと地球温暖化対策について、中央環境審議会や資源エネルギー調査会等の検討を踏まえ、選択肢を提示することになっている。原発、風力・太陽光等の再生エネルギー、石炭・天然ガス等の火力発電のエネルギーミックスのあり方、地球温暖化防止に向けたCO2削減策について、いくつかの選択案が示される。 続きを読む

  • 2012/06/25

    第2回 住友化学株式会社 愛媛工場、別子銅山、サンライズファーム西条

     今から1世紀も前に公害問題に向き合い、その解決策が事業のスタートとなったことを住友化学株式会社のホームページで知り、どうしても訪れたくなったのが、創業の地である愛媛県新居浜市です。

     同市の別子(べっし)銅山の採掘権を江戸幕府から得た住友総本店は、この地で大きな発展を遂げました。しかしながら、別子銅山の銅鉱石には約40%もの硫黄分が含まれていたため、精錬の際に亜硫酸ガスが排出され、近隣の農作物や森林に深刻な被害を与えてしまったそうです。 続きを読む

  • 2012/06/22

    停電はなぜ起こる

     私は停電を経験したことが無い。家の中で電気を使いすぎてブレーカーが落ちたことはあるが、電力会社からの電気供給が止まったという経験は、少なくとも記憶にある限り無い。父が自宅療養で人工呼吸器を使っていた頃は、停電は大いなる恐怖であり、常に予備の酸素ボンベを備えていたが、結局父の存命中に停電を経験せずに済んだことに、私は今でも感謝している。 続きを読む

  • 2012/06/20

    Diamond Jubilee、宴の後

     6月5日に英国エリザベス女王即位60周年記念行事がクライマックスを迎え、私も欧州に滞在している一人としてBBCやCNNにかじりつきユニオンジャック未だ健在という興奮と女王陛下の荘厳な存在感を味わった。

     その興奮も覚めやらぬ6月7日、私は英国・スイス商工会議所が主催するビジネスワーキングランチに参加していた。その日のテーマは、“After Fukushima”。 続きを読む

  • 2012/06/19

    活字は「しゃべり」に勝る

     エネルギー政策についての原稿をようやく書き上げた。今年8月10日より、新潮新書から順次発売される予定だ。宣伝になってしまうが、ぜひご一読いただければ・・・。

     昨年の東日本大震災を境に、それまで世の中の関心事だった地球温暖化問題はどこかに消えてしまった。それに代わってお茶の間の話題になったのがエネルギー問題である。 続きを読む

  • 2012/06/18

    発送電分離の正しい論じ方

     電気事業制度のあり方を議論する電力システム改革専門委員会第6回(5月31日)において、発送電分離、つまり電力会社の送配電部門の中立性強化策が議論になった。具体的には、事務局が示した以下の2案について議論がなされた。 続きを読む

  • 2012/06/14

    広域系統運用者はアンバンドリングへの解となり得るか

     電気事業制度のあり方を議論する電力システム改革専門委員会の第5回会合(5月18日開催)では、事務局の経済産業省から電力小売の「全面自由化」と並んで「広域系統運用者」の設立が提案され、その後、引き続き第6回(5月31日)でも審議が続いている。現時点では新組織の定義や機能がはっきりしておらず、専門委員会でもこれをいわゆるISO(独立系統運用者)と呼んで良いかどうか含めて議論となったようだ。 続きを読む

  • 2012/06/13

    原子力損害賠償法の改正に向けて②

    我が国の原子力損害賠償法

     我が国では、昭和36年、原賠法及び「原子力損害賠償補償契約に関する法律」(以下、「補償契約法」と言う)が制定された。基本原則は前回述べた各国の原子力賠償制度とほぼ同様であるが、いくつかの特色を持っている。以下に条文を確認するが、全体像を把握するうえで、原子力損害賠償制度が私人対私人の紛争解決を規定する民法の中の特別法として位置づけられていることを、先ずは踏まえておく必要があろう。 続きを読む

  • 2012/06/11

    スマートメーターに夢を託せるか

     スマートメーターについては、以前も本欄でとりあげたが、再度、少し視点を変えて取り上げてみたい。

     まず、「モノのインターネット(IOT)サービス」について。

    「モノのインターネット(IOT)」の夢が花開く?

     モノのインターネット(IOT:Internet of Things)とは、文字通り全てのモノがインターネットに繋がり、情報をやりとりする世界を指す。 続きを読む

  • 2012/06/08

    原子力損害賠償法の改正に向けて①

    賠償スキームも含めた「安全・安心」を確立する

     昨年3月11日の東日本大震災をきっかけとする東京電力福島第一原子力発電所における事故は、これまで「起こらない」と考えられていた重篤な事故となった。「起こらない」と考えていたのは、技術者達だけでない。万一の事故に際しての被害者への補償について定めた「原子力損害の賠償に関する法律」(以下、「原賠法」と言う)も重要ないくつかの点において曖昧な条文となっており、いわば社会システムとして、原子力の事故に対する備えが出来ていなかったと言える。 続きを読む

  • 2012/06/07

    日本の停電時間が短いのはなぜか

    停電はなぜ起こるのか

     停電は多くの場合、電気設備の故障に起因して発生する。とはいえ設備が故障すれば必ず停電するわけではない。多くの国では、送電線1回線、変圧器1台、発電機1台などの機器装置の単一故障時に、原則として供給支障が生じないように電力設備を計画することが基本とされている(ただし影響が限定的な供給支障は許容されるケースが多い)。 続きを読む

  • 2012/06/05

    WTOは環境も救うか?

    デジタルIT製品の貿易自由化の動き

     久しぶりに思えるジュネーブ発での貿易関連報道があった。5月16日付け日経新聞(夕刊一面トップ)によれば「日米欧、中韓など74カ国・地域は15日、関税を撤廃するデジタル製品を大幅に増やすため、世界貿易機関(WTO)の情報技術協定(Information Technology Agreement:以下、ITA)の改定交渉を開始することで合意した」とのことである(注1)。 続きを読む