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松井英生・石油連盟専務理事に聞く[後編]

震災を教訓に、石油製品の平時からの利用と備蓄の体制づくりへ転換を


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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非在来型の資源の活用技術が進み、化石資源の可採量は増えている

――石油など化石資源は枯渇の問題が言われています。

松井:ちなみに石油は、「あと45年しかない」とか言われますね。

――そうですね、いずれ枯渇する資源だという認識です。

松井:私が生まれた時から「あと45年しかない」と言われていました。

――採掘の技術が発達して、また油が出てきたのですか。

松井:採掘技術によるところもありますし、コストもあります。また、在来型でない油がどんどん発見されています。昔は岩塩層の下は開発できませんでしたが、そこを掘削する技術も開発されています。海面から約3500m、さらに海底から6000mあわせて約1万mの海の底を、ペトロブラスという世界一の掘削技術をもっている会社が開発しています。コストは、だいたい1バレルあたり70ドルと言われています。

 ほかにも、ベネズエラのオリノコタールは非常に重質油ですが、カナダのオイルサンドもあります。昨年ごろからは、シェールガスを生産できる技術を活用したタイトオイルの開発が米国で進められて、これにより、石油の賦存量が増えるといわれています。研究者によると、在来型の約5倍はあるそうです。

――在来型の5倍ですか!

松井:在来型が50年分とすると、5倍すると250年分ですね。

――石炭並みに油もあるということですか。

松井:そうです。可能性があると言われています。それも70ドル程度で開発できると言われております。そう考えると、当分、石油は枯渇することはありません。そんなにコストが下がるかどうかはわかりませんが、量はそれなりにあるわけです。環境の問題はありますが、上手に使っていただいていいんじゃないでしょうか。

――化石資源は枯渇するエネルギーと形容されますが、現時点では、それほど危機感を持つ必要はないと。

松井:数十年では枯渇しない可能性が出てきたわけですね。

――懸案としては、温室効果ガス対策でしょうか。しかし、技術開発によって、かなりクリーンなエネルギーになってくる期待はありますね。

松井:特にCO2を地下に封じ込めるCCS(二酸化炭素の回収貯留)技術は重要です。これが進展すれば、石油は使い勝手のいいクリーンエネルギーになる可能性があります。

――世界の動きとして石油の需要はどうでしょうか。

松井:今、世界的に石油の需要は拡大しています。エコで倹約する生活がかっこいいという価値観は日本だけです。たぶん、石油の需要が減っているのは日本で、他の国はどんどん増やしています。

――石油について、国民にもっとよく知ってほしいと思われますか。

松井:石油をムダに消費したり、環境対策をおざなりにしていくのはよくないと思いますが、技術開発もしていきますし、上手な使い方を考える必要があると思います。CO2対策は日本国内だけでなくグローバルの問題です。日本が減らしても隣国が大量に排出すれば、まったく意味がありません。日本からの技術移転をして、地球規模の低炭素型成長に向けて経済協力していくことが重要でしょう。

「非在来型化石資源の活用技術が進み、利用できる資源量は増えている」と話す松井専務理事