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松井英生・石油連盟専務理事に聞く[後編]

震災を教訓に、石油製品の平時からの利用と備蓄の体制づくりへ転換を


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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再生可能エネルギーには多くの期待をすべきではない。財源は何なのか。

――再生可能エネルギーの全量買取制度もスタートしますが、どう思われますか。

松井:買取費用は電力料金に上乗せされていくわけですが、石油会社は基本的に自家発電でやっていますので、買い取り制度の影響はそれほど受けません。影響が大きいのは電炉産業などで、費用負担軽減措置が行われる方向と聞いています。

 我々が知りたいのは、その軽減措置の財源が何かという議論です。法律では石油石炭税、すなわち石油にかかっている税金を使うことになっているんですね。石油石炭税は基本的には受益者負担で、石油産業の強化に使うことを原則にして、残りが新エネ・省エネのために使われます。

 今回、原発が減れば、たぶん火力発電が増え、LNG、石炭、石油の輸入が増えますので、それらにかかる石油石炭税が増収になります。それが全量買取の費用負担軽減措置の財源にも充てられるかもしれません。

――再生可能エネルギーが全体の発電に占める割合は、日本ではまだ驚くほど小さいのが現状です。

松井:それなのに世間では大きく捉えられています。まず不安定ですし、私の知る限り、日本の屋根付きの戸建て住宅で、耐震設計上問題がなくて南を向いている屋根のある家は、たぶん総計1000万戸位でしょう。その全部に設置するとしても本当に可能でしょうか。耐震設計をクリアしていても、結局補強をしないといけないし、お金もかかります。大きい建物が近くに建つと発電効率は低下します。

――世間の期待が大きすぎるということでしょうか。

松井:太陽光発電の稼働率は1割くらいでしょう。そこまで期待するのはどうかなと思います。風力は低周波の問題、さらに洋上風力は漁業権の問題があります。再生可能エネルギーは必要だとは思いますが、多くの期待はするべきではありません。バッファーとして増やしていくのはいいが、メインに据えてはいけないということです。

 個人的には地熱発電は有効だと思っています。1986年ごろ、ニュージーランドで地熱発電所を視察して、極めてこれは効率的だと思いました。日本は潜在能力として原発20基相当分くらいのポテンシャルがあり、まさに火山国ですから、日本固有の特色あるエネルギーだと思います。国立公園内に適地があるなど課題はありますが、国を挙げて加速して地熱発電を開発すべきでしょう。安全で、環境にもいい。本気になれば5~6年で相当できると思います。