大掃除で捨てるモノを売ったら4.6万円


消費生活アドバイザー

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 2022年は値上げに始まり、値上げに終わった一年間でした。この値上げの傾向は今後も続くことが予想されています。引き続きメリハリのある生活を心掛けることが大切になります。

 年末と言えば恒例行事の大掃除があります。大掃除に出る不用品をそのまま捨ててしまえばただのゴミですが、売ればお金になります。
 フリマアプリの「メルカリ」の調査、「2021年版 日本の家庭に眠る‟かくれ資産“調査」によると、国民一人あたりのかくれ資産は平均約34.5万円。日本全体の総額は推計約44兆円との試算が出ています。
 そもそもかくれ資産とは、1年以上使用しておらず、理由なく家庭内に保管しているモノを不用品とし、不用品保管数量調査および「メルカリ」の平均取引価格により換算した数値をかくれ資産と定義しています。

 また、同調査の2021年時点での試算では、大掃除で捨てられる不用品を金額換算すると日本全国で推計約5兆8,129億円になり、捨てずに全て売却すれば国民一人あたり平均約4.6万円にもなるそうです。

 捨ててしまえばただのゴミになり、直接的にも間接的にも処分費用や環境への負荷もかかります。これを捨てずに必要とする誰かへ渡すことでサスティナブルな消費につながります。まだ使えるものだけではなく、リモコンだけやもう動かない壊れたものでも部品が欲しいと考える人もいます。近所に必要とする人がいなくても、アプリなどを使って出品すれば、全国だけではなく、海外からのオファーもあるかも知れません。

どんなものが売れるのか?

 前出の調査による、一人あたり約34.5万円保有するかくれ資産の品目構成と金額を見ると、「書籍・CD・ゲーム」で12万1,493円、服飾雑貨で11万7,078円、家具・家電・雑貨で5万4,962円、ホビー・レジャー3万8,152円、美容・健康1万3,381円となります。

早く売りたいか高く売りたいかで選ぶ

 売る際は、ネットオークションやフリマアプリといったインターネットを使う場合とリユースショップといった店舗へ依頼する方法があります。どちらにもメリットデメリットがあります。すぐにお金にしたい場合は、売値は安くなるが、店舗型がおすすめ、出品などの時間や手間がかかるが、少しでも高く売りたい場合はインターネットと使い分けることをおすすめします。カメラやブランド品、釣り道具などは専門店に依頼すると価値に応じた値付けがされやすいので、店舗型で売る場合はお店の特徴も調べておくとよいでしょう。

国内だけではなく、海外から買い手がつくことも

 メルカリやラクマ、ヤフーオークションは基本的には国内のサービスですので、国内でのやりとりがメインです。しかし、Buyee(バイイー)というサービスが登場し、国内の出品者と海外の購入者とをつなぐことで、海外の購入者から買いたいとのオファーがあれば、Buyeeを通して日本語でやりとりができます。商品はBuyeeが指定する国内の拠点へ送るだけなので、手間もありません。日本のアニメのグッズなどは特に人気だそうです。おうちで眠っているアニメのグッズやノベルティなどがあれば、出品してみるのもいいですね。

昭和レトロが人気

 昭和レトロ品は黒電話や鍋など雑多なモノがフリマアプリなどで頻繁に取引されています。壊れていて使えなくても、インテリアとして値段がつくことがあります。実際、ネットのオークションサイトでは、ダイヤル式の黒電話が数千円から数万円、石油ストーブやミシンなども数万円で購入されていることも。他にも昭和の雑誌や古い学術書、ゲーム機、ゲームソフトも古いからと言って捨ててしまわずに、売ってみましょう。絶版になっているものは高値が付くことがあります。

20~30年前のブランドバッグもねらい目

 ブランドバッグは年々値上がりし続けているアイテムです。20~30年前は手ごろな値段で買えたブランドバッグも、現在新品で購入するとなると当時の価格の3倍以上値上がりしているものもあります。つまり、昔に買って、もう使っていないブランドバッグを売れれば、買った当時の値段くらいで買い取ってもらえることもあり得ます。処分をするのであれば専門店で査定に出してみてはいかがでしょうか。

ウイスキーや洋酒も買い取りの対象に

 未開封で眠っているいただきものの、ウイスキーや洋酒はないでしょうか。ここ最近のウイスキー人気で入手が困難になり、ますます価格が高騰しています。古いお酒でも買い取りができるようなので、飲まずに眠っていて、今後も飲む予定がなければ、売ってみるのもいいでしょう。

 ゴミではなく資産と考えて、年末の大掃除もエコにお得に行動してみてはいかがでしょうか。