宮井真千子・電子情報技術産業協会環境委員会委員長に聞く[後編]

日本のものづくり産業が目指すべき答えは「環境技術立国」


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授

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環境革新企業として、パナソニックはCO2削減や資源循環に挑む

――エネルギー問題以外で、環境に関わる分野で、パナソニックとして熱心に取り組んでいることがあれば教えてください。
宮井:パナソニックは2018年に創業100周年を迎えますが、その100周年のあるべき姿を「エレクトロニクス業界でナンバー1の環境革新企業」としています。さまざまな環境への取り組みを進めていくわけですが、大きな二つの柱があります。一つは二酸化炭素(CO2)削減への貢献、もう一つが資源循環への貢献です。循環型社会の構築に役立っていこうという意味で資源循環の施策も進めています。

――具体的にはどういうことでしょうか。

宮井:いろいろな施策を進めていますが、例えば今数値目標をかかげて進めているものとして二つの項目があります。

 一つは、投入資源を減らし、使用する再生資源を増やしていく取り組みです。もう一つは、工場での廃棄物を極限まで減らしていく、工場廃棄物ゼロミッションです。工場での廃棄物リサイクル率を2018年までには99.5%にまで高めていく、いわば廃棄する物がほとんど無い状態にまで高める取り組みを進めています。

 工場の廃棄物を削減していく取り組みは、全世界にあるパナソニックの拠点において順次手を打ってきています。もう一方については、まず使用する資源の総量を減らし、使うとしても新しい資源よりも再生材を積極的に使い、使用する新規資源を極力減らしていきます。資源循環のコンセプトは「商品から商品へ」としています。

パナソニックは循環型社会の構築への貢献を目指し、資源の循環利用に力を入れている。工場での廃棄物リサイクル率は99.5%以上を目標としている(資料提供:パナソニック)