コラム一覧

  • 2014/03/20

    「グリーン?なダボス?」

     1970年代はじめから活動している世界経済フォーラム(WEF)の年次総会、いわゆるダボス会議が今年も例年同様1月後半に開催された。今年のダボス会議は日本にとって大きな意義となるものだったであろう。歴史あるダボス会議において初めて日本の首相がオープニングスピーチを行ったからである。今年は第一次世界大戦勃発の1914年から100年ということでそうした視点からの問題提起もあったに思う。注1) 続きを読む

  • 2014/03/19

    化石燃料輸入削減への努力

     原子力発電所の稼動が全面停止したことによって、それに代替する発電が全て石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料で行われたため、その全量を輸入に依存する日本の国際収支が悪化する大きな要因となっている。エネルギー自給率が極めて低い日本としては不可避なことではあるが、仕方がないではなく、小さな削減量の積み重ねを続けることによって化石燃料の輸入量を少しでも減らす努力をしなければなるまい。 続きを読む

  • 2014/03/06

    “議長”のお仕事(第1回:その0〜1)

    国際機関の議長というのは、何はともあれエライ、と思われる。

    筆者が務める本職注1)の関係で昨年2013年6月から世界貿易機関(WTO)に設置されている委員会(貿易の技術的障壁に関する委員会:TBT委員会注2)の議長のポストに就いているのだが、それが偽らざる率直な思いだ。WTOの建物で他国の大使に会っても”Oh, Jingo, Mr. Chairman”と声をかけられることも多い。 続きを読む

  • 2014/02/07

    エネファームからの逆潮

     パナソニックは、昨年9月に、ドイツの給湯器メーカーであるフィスマングループと家庭用固体高分子型燃料電池を共同開発したと発表している。今年からドイツで販売を始め、続いて欧州主要国に投入するそうだ。プレス資料に示された仕様を見て気付いたのだが、発電出力が750ワットの定格出力制御になっている。これは、取付先の負荷がこの出力以下になっても定格運転し、余剰分は配電系統に逆流されるということを意味している。 続きを読む

  • 2013/12/16

    カリフォルニア州の分散型太陽光発電を巡る動向

     本年3月時点で見ると、米国50州の内、29州とワシントンDCでRPS制度が導入されている。RPS(Renewable Portfolio Standard)は、電力供給事業者が供給する電力の内、再生可能エネルギー由来のものが占める比率の目標を設定し達成することを義務づける規制である。米国の場合、RPSは、国内の再生可能エネルギーの導入を促進する目的で1978年に制定された連邦法PURPA(公益事業規制政策法)によって生まれたものだが、制度化するかも含めてその内容は各州の裁量に任されていて、米国全体を対象にしたものではない。 続きを読む

  • 2013/11/25

    水素社会の構築に向けて持つべきスケール感

     燃料電池自動車の市場化の目標時期(2015年)が間近に迫ってきて、水素社会の到来かなどという声をあちこちで耳にするようになりました。燃料電池を始めとする水素技術関係のシンポジウムや展示会なども活況を呈しているようです。

     しかし、「水素社会の実現のために」行われているさまざまな取り組みの中には、「水素社会の実現」が目的化してしまっているようなものも見られます。 続きを読む

  • 2013/11/11

    誤解を招く里山生活でのエネルギーの自給
    藻谷浩介、NHK 広島取材班 著『里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く』

    田舎暮らしが日本の解決策になる?

     戦後の経済成長に支えられた日本でのマネーに依存した資本主義社会における都市生活が大きな矛盾を抱えるようになった一方で、若者から見捨てられた高齢化過疎地が広がっている。その過疎地に、マネー依存の生活から離れた新しい価値観を求める人々がUターンあるいはI ターンしている。その人たちの田舎暮らしの生活の実態を、「里山資本主義」として紹介しているのが表記の藻谷らの著書(以下、本書、文献1 )である。 続きを読む

  • 2013/10/15

    炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス

     NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が9月3日に発表したプレスレリースを読んだ時の刺激と興奮は大きかった。その内容は、東京大学や炭素繊維メーカー、樹脂メーカー、炭素樹脂メーカーが協力して、加熱すると成型しやすくなる熱可塑性樹脂を用いた、全く新しい「炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス(CFRTP)」の開発に成功したというものだった。 続きを読む

  • 2013/09/19

    原発電力代替は再生可能エネルギー電力しかないのか?
    北澤 宏一 著 「日本は再生可能エネルギー大国になりうるか」

    脱原発のために、日本は再生可能エネルギー大国にならなければならない?

     福島原発事故後、民間の事故調査委員会(福島原発事故独立検証委員会)の委員長をなさった北澤宏一先生の書かれた著書(以下本書と略記、文献1 )を手に取って、非常に大きな違和感を持ったのは私だけであろうか?著名な著者が、いまのタイミングで出版された著書であるから、福島事故の原因を厳しく調査・解明した上で、いま、多くの国民が願っている脱原発に必要なエネルギー政策の道筋を示して頂けるものとの私の期待を裏切ったのが、表記した本書の書名である。 続きを読む

  • 2013/09/10

    太陽熱の効率的利用

     再生可能エネルギーを利用して発電された電力を高く買い取る固定価格買取制度(フィードイン・タリフ)が日本で昨年から始まり、太陽光発電に続いて、地球温暖化ガスを発生しない各種の発電設備が増加しつつあることはこれまでに述べた。その他にも、電力の効率的利用を促進する各種助成が政府の手によって準備されてもいる。廃熱の有効利用や、住宅の断熱なども国の補助対象になってきた。 続きを読む

  • 2013/08/30

    オバマ・イニシアティブ・ショック?

    環境物品交渉の幕開け?

     7月23日付で通商専門日刊紙(Washington Trade Daily)は”US Initiates Environmental Discussion”と報じた。昨年のAPEC首脳会合(於:ウラジオストク)で合意された環境物品自由化54品目をベースに、米国が主導して環境物品サービス自由化交渉をジュネーブ(すなわちWTO)で進めるべく当該テーマに関心の高い少数国(米国はじめ、日本、EU、カナダ、豪州、NZ、スイス、ノルウェー、韓国)を招集して議論を開始させたというものである。 続きを読む

  • 2013/08/07

    ミニ・マイクロ水力発電

     再生可能エネルギーによって発電された電力を、従来よりもかなり高く買い取ることを電力会社に買い取ることを義務づけし、その価格を事業開始から10~20年保証するという固定価格買取制度が発足してから1年が経過した。2年度目に入って価格は引き下げられたが、3年間は事業性を失わないようにするという方針から、その下げ幅は太陽光で10%ほどと小さい。この制度が適用されるには、経済産業省の設備認定を受けなければならない。 続きを読む

  • 2013/07/10

    2013年6月 ボン国連作業部会見聞録
    「ドーハの悲劇?」復讐劇~COPプロセスの「終わりの始まり」

     6月3日~14日、ドイツ、ボンのMaritim Hotelで国連気候変動枠組み条約の特別作業部会が開かれ、11月にワルシャワで開催されるCOP19に向けて最後の事前交渉が行われた。筆者も経団連代表として6月11日から最後の3日間、参加してきたので、現地での見聞録を報告したい。なお、日本政府による交渉成果に関するまとめは外務省ホームページに詳しく報告されているのでご参照いただきたい。 続きを読む

  • 2013/07/05

    家庭用電力消費におけるプラグロードの増大

     壁にあるコンセントに繋ぐ電気機器のことを米国ではプラグロード(プラグ負荷)と呼んでいる。米国のエネルギー情報局によると、2005年から2015年の間に、米国の家庭用電力消費はプラグロードの増加によって20%増えるだろうと予測されている。1978年には、プラグロードが家庭用電力消費に占める比率は17%だったが、2005年にはこれが31%とほぼ2倍に増大したのだった。 続きを読む

  • 2013/05/31

    日本の沿岸海底に大容量高圧直流送電線を

     日本の電力供給網の周波数が東西でそれぞれ50ヘルツ、60ヘルツと異なり、系統網がいわば分断されているのは、歴史的に生まれた宿痾のようなものだ。その二つの周波数領域を現在120万キロワットの周波数変換設備(交・直・交変換)によって相互融通ができるようにはなっている。しかし、この融通規模は、東西の発電設備規模からみると極めて小さい。 続きを読む

  • 2013/05/23

    断熱の常識を超えた省エネ塗料“ガイナ”とは
    環境技術事例&インタビュー

     これから梅雨を迎え、梅雨を過ぎるとぐっと気温が上がって暑くなります。天候や気温に関係なく、できれば室内で一年中快適に過ごせれば心も体も軽くなりそうですね。そんな思いを実現させてくれるすごい塗料があると聞きつけました。外装に塗っただけで、夏の暑さや冬の寒さ、騒音、臭いなどのストレスを軽減し、快適な住環境を実現してくれ、一度塗れば10年経っても効果が持続するというのです。その名は、“ガイナ“。開発製造を行う日進産業(東京・板橋区蓮根)にさっそく伺いました。 続きを読む

  • 2013/05/14

    自然エネルギーの出力変動を抑制する蓄電設備

     自然エネルギーからの発電には、水力、潮力やバイオマス発電にように、発電出力が安定しているものもあるが、いま世界的に急速な普及をしている風力発電と太陽光発電は、気候・天候の変化によって発電出力が大きく変動するために、それが接続されている送電系統の安定性を大なり小なり阻害する。その影響が大きすぎると送電が円滑に機能せず停電の可能性も出てくる。
     特に風力発電については、電気の需要が落ちる夜間に風が吹いて大量の発電をすることは当然予想できるところだ。 続きを読む

  • 2013/04/18

    まだない未来?
    ~ジュネーブ・モーターショーから垣間見えたもの~

     来る4月21日から、国際見本市として格上げされている上海モーターショーが開催されるが、それに先立ち、3月7日から筆者の滞在するジュネーブにて開催された100年以上の歴史を誇るモーターショー注1)を振り返りつつ雑感を述べたい。

     3月8日付日経BPネット注2)では「高性能車よりエコカー?販売不振が続く欧州で自動車ショー開幕」との見出しでジュネーブ・モーターショーを紹介している。しかし、実際に自分自身も現場へ数回足を運び(自動車に関しては素人で一般人的な感覚で)率直に言えば違和感のある見出しと感じた。(全体の様子は写真1)。 続きを読む

  • 2013/04/05

    マイクログリッドの普及

     米国で再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の向上に熱心な州としてカリフォルニア州が日本では紹介されることが多い。ところが、ニューヨーク州もこれに劣らず積極的なエネルギー政策を策定して目標達成に取り組んでいる。同州のスマートグリッド・コンソーシアムが出した2013年白書にも記載されているが、ニューヨーク州のエネルギー政策目標として、2015年までにクリーンな再生可能エネルギーからの電力比率を30%にする、エネルギー消費を15%削減する、二酸化炭素排出量を10%落とす、ことが掲げられている。 続きを読む

  • 2013/03/05

    排水環境の負荷を減らし、そのままでは廃棄物になるものをバイオマス発電燃料に変える“エコリカバ―II”
    環境技術事例&インタビュー

     廃水を浄化し、再生可能エネルギー燃料にもなる優れモノがあると聞きつけました。「エコリカバ―II」は、アミノ酸など天然成分の食品添加物や植物性界面活性剤からなる微生物活性剤を含む回収材で、グリーストラップ(阻集器)で、その能力をフルに発揮するそうです。廃水の油脂やたんぱく質、有機物を分解して水質浄化を促進し、さらに 続きを読む

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