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熱帯の空:気候危機論への反証


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(英 Global Warming Policy Foundation(2019/06/20)より転載
原題:「The Tropical Skies: Falsifying climate alarm」)

1 温室効果の測定

 私が育った頃、科学は情報を解明する手法だと定義されていました。何か主張や仮説を提出し、その主張を独立データに照らして検証するわけです。⼀致しなければ、自分の主張を棄却して、やりなおしです。⾔いかえると、仮説自体はまともな情報とは⾔えない。ところが昨今では、だれかが気候について何か主張して、私のような輩が反証すると、その人物は仮説を放棄するどころか、自分の主張が正しいのだと声をさらに張り上げるだけです。自分の可愛い仮説についてデータが何を物語っているか、直視するのがつらいわけですね。
 いまの話は、人類が化石燃料を燃やす結果として生じる追加の温室ガス排出に、気候がどう応答するかというものです。規模感で言うと--これは重要な点ですが--私たちは各種あらゆる強制力の中で、追加の0.5単位の強制力が気候に与える影響を知りたいわけです。そうした他の強制⼒は、100単位くらいあるものも多い。こうした、大規模で変わりやすいエネルギーの自然フローの中で、追加の0.5単位の影響を突き止めたいわけです。
 図1 にこの問題を⽰しました。黄色い太陽は、毎秒エネルギーを100単位送ります。そのうち70単位が吸収されます。内訳として、大気への吸収が23、地表が47 になります。地表⼀平⽅メートルの上の大気の柱には、エネルギー7.5億単位くらいが含まれますから、こうしたすさまじい蓄積エネルギーに比べると、ずいぶん小さい話をしていることになりますね。


図 1: 温室効果
1単位≈3.4W/m2. 値はAR5 図2.11より

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熱帯の空:気候危機論への反証(PDF)

【 著者紹介 】
 ジョン・クリスティ博⼠は地球システム科学センター所⻑、アラバマ⼤学ハンツヴィル校⼤気科学栄誉教授およびアラバマ州気候学者である。同⼤には30 年以上勤めている。その職務は、従業員80 ⼈超の科学センター運営、宇宙ベース機器の開発と打ち上げから、発展途上国における重要気象事象の影響研究、⼤気汚染の⾼解像度研究 (⼤気化学と気象学) など各種研究プロジェクトまで様々である。独⾃の研究課題は、気候変動の主張検証に使える世界および地域的な気候データ記録構築と改善であり、各種強制要因に対する気候感度の理解についてのものである。この研究は、査読論⽂100 本近くを⽣み出している。

解説:キヤノングローバル戦略研究所 杉山 大志

 気候科学の第一人者であり、衛星リモートセンシングによる温度計測の権威であるジョン・クリスティ―博士は、地球温暖化の予測に使われている気候科学のモデルは、温暖化を過大に見積もっている、と指摘している。

どのモデルも熱帯の高度三万フィート付近で急速な温度上昇が起きるとしているが、これは現実と食い違う。モデルの予測の3分の1程度しか温度上昇は起きていない。
過去40年の温度上昇は、1979年に開始した衛星観測によれば、10年あたりで0.13℃に過ぎない。これはモデルの予測の約半分だ。
この状況は改善されていないようだ。最新のモデルをざっと見たところ、更に急速な温暖化を予測している。これは、単純に言って、信頼できない。

 クリスティー博士によるGlobal Warming Policy Foundation報告書が、山形浩生氏により邦訳された。ここに許可を得て紹介する。


追記: 原文で幾つかの書き洩らしがあったので補足する。

1.
図7と図8で「再分析」とあるのは、欧州中期天気予報センター(European Centre for Medium-Range Weather Forecasts)注1) によるデータ・セットである。この「再分析」は、衛星、気球(ラジオゾンデ)、地上の観測点での測定など、全ての利用可能な観測データを用いて推計された温度である。
2.
原文には文献が付いていないが、下記の2件の米国議会証言と2つの学術論文をベースとして分かり易く書かれたものである。



Testimony given by four prominent climate scientists to a hearing of the Committee on Science, Space and Technology of the US House of Representatives on 29 March 2017. M
https://www.thegwpf.org/content/uploads/2017/03/Climate-Science-March20171.pdf

Testimony of John R. Christy, University of Alabama in Huntsville.
U.S. House Committee on Science, Space & Technology, 2 Feb 2016.
https://docs.house.gov/meetings/SY/SY00/20160202/104399/HHRG-114-SY00-Wstate-ChristyJ-20160202.pdf

Christy, J. R., Spencer, R. W., Braswell, W. D., & Junod, R. (2018). Examination of space-based bulk atmospheric temperatures used in climate research. International Journal of Remote Sensing, 39(11), 3580–3607.
https://doi.org/10.1080/01431161.2018.1444293

Christy, J. R., & McNider, R. T. (2017). Satellite bulk tropospheric temperatures as a metric for climate sensitivity. Asia-Pacific Journal of Atmospheric Sciences, 53(4), 511–518.
https://doi.org/10.1007/s13143-017-0070-z

(なお以上の解説はGWPFによるプレスリリースを参考として作成した。
https://www.thegwpf.org/climate-models-have-been-predicting-too-much-warming/

注1)
https://en.wikipedia.org/wiki/European_Centre_for_Medium-Range_Weather_Forecasts

※ Global Warming Policy Foundationの邦訳記事一覧はこちら



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