お得に買って最後まで美味しくいただくエコ


消費生活アドバイザー

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 夏野菜が美味しい時期になりました。夏から秋にかけては美味しい食べ物がたくさん並んで、どの食材をどのように調理して食べようかと、作る楽しみも増える頃です。完熟トマトが安く売られていたら、トマトソースにして保存しようとか、たくさんいただいた茄子やピーマン、ししとうは、素揚げをして薄めためんつゆの中に入れて味を染み込ませたら、すり下ろし生姜を添えて食べようなど考えただけでもワクワクしてしまいます。
 一方、食材はスーパーなど小売店で賞味期限が来たら処分、家庭でも傷んでしまったらたちまちゴミとして処理されてしまいます。買って食べられなかったら、購入代金に加え処分費用がかかってしまいます。食材は生産者から加工業者、小売業者、そして消費者の食卓へと運ばれてきます。消費者=生活者が心がけたいことは、「買う時、買った後、作る時、食べる時、捨てる時」の行動です。どう行動するかによって最後の捨てる時の食材の量が変わります。

買う時

 必要以上に買わずに必要な分を買うように心がけましょう。また、半額シールだから買ってOKといって、たくさん買いすぎると食べきれなくなる可能性があります。そもそも半額シールが貼られている食材は、賞味期限が迫っているものです。できるだけ早く食べきってしまう必要があるものだからこそ、その日使う分くらいにしましょう。同様に、足が早い生魚もその日食べる分程度にしましょう。また、3パックで1,000円といった食材も、必要なければ少し割高でも1パックをムダ無く使い切るようにしましょう。
 パンや牛乳、卵、豆腐といった白もの食材や、消費期限が比較的短い商品は、手前から取って小売店から出る廃棄も減らしたいものですね。

買った後

 買った後は、傷まないうちに小分け冷凍や加熱処理などの保存処理をして、使いやすくしましょう。お肉は、発泡トレイに入れたまま冷凍せず、ラップフィルムに包んで小分け冷凍すれば、必要な分だけ解凍して使えます。鶏肉は、唐揚げなどの下味を付けてから冷凍すると手間も省けます。野菜は加熱調理したりせず、例えば、ブロッコリーなどは下茹でせず、洗って小房に分けたらそのままジップ式の袋に入れて冷凍することもできます。葉もの野菜は、購入時に付いていたビニールやテープを外してからスーパーのレジ袋に入れて軽く空気を抜いてから野菜室で保存すると、長持ちします。

作る時

 食事を作る時は作りすぎず、食べ切れる分量で作るようにしましょう。特に夏場は傷みやすいので、鍋で作るカレーなども作りすぎないようにしましょう。捨てる部分が少なくなるように、切り方を工夫して、皮ごと調理をしたり、皮をまとめてかき揚げやスープ、きんぴらにするなどもうひと品に変身させるといいですね。残り野菜を刻んで、卵で焼きスパニッシュオムレツもいいですね。
 また、調理時は消費期限が迫っている、早く使い切りたい食材をキーにして献立を立てるとムダがありません。そして、1つの食材を使い回すように使うのもおすすめです。例えば、豆腐1丁あったら、3分の2は麻婆豆腐に使って、残りの3分の1は翌日のみそ汁に使う、といった方法です。もし、麻婆豆腐の豆腐が少なく感じられたら、春雨や水で戻して刻んだきくらげを投入してかさましもいいですね。春雨も、全部使わずに春雨スープや春雨サラダにするなどバリエーションを持つとどんどん効率よく食材を使い回すことができます。
 更にお弁当のおかずにちょっと残しをして、翌朝加熱調理をしてからお弁当に詰めれば、昼食代の節約にもなります。


大根やカブの葉は、炒めてご飯と混ぜておにぎりにしても


スイカの白い部分はぬか漬けにも

食べる時

 残さず食べたいものですね。我が家の息子には、お茶碗についたご飯や、カレー皿のカレーなど最後にもうひと集めをして食べるように教えています。
 おかずが残ってしまっても捨てずにリフォームして食べきりましょう。例えば、野菜炒めが残ったら、冷蔵庫にあるハムなどを加えて、片栗粉でとじてから春巻きの皮に包んで春巻きにする。唐揚げが残ったら、酢豚の肉に見立てて酢鶏にすれば、手間も省けて時短調理にもなります。


揚げ物が残ったら、めんつゆと一緒に煮て卵とじにすると美味しい

捨てる時

 今までの方法を実践していただいたなら、捨てる食材はほとんど無くなることでしょう。そして、食費の節約にもつながっているはずです。もし、調理に自信がない、レパートリーが少ない時は、レシピサイトにたくさんのレシピが掲載されていますので、参考にしてみましょう。使い切りたい食材を検索窓に入力するだけで、たくさんのレシピが出てきますよ。

最後に…

 食べ切れないほどの食材があったら、フードバンクやこども食堂に寄付をしてみてはいかがでしょうか。寄付できる食材はその団体によって異なりますが、お米や缶詰、パスタや乾麺などが喜ばれるようです。消費しきれない食材やお中元で余りがちな食べ物があれば、寄付を検討してみるのもいいですね。