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改正FIT法の見直しのポイントは?


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授


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 改正法では、2017年4月1日の施行までに電力系統への接続契約の締結をしていない場合、原則として設備認定の効力を失います。2017年3月31日までに接続契約の締結を希望する場合には、2016年6月30日までに接続申し込みをする必要があります。(接続検討や契約の手続きには約9か月かかることから6月30日に決められました)

 新認定制度は、買取金額が高い価格が認められながら発電事業を始めていない事業者には退場を促し、低い発電コストで事業を開始する後発事業者を後押し、賦課金の増大の抑制を図ることが狙いです。接続枠を確保したまま事業を開始していない空押さえ案件を防止することにもなります。

 なお、すでに稼働している案件については、新制度の決定を受けたものとみなされますが、一定期間内に事業計画などの書面を提出する必要があります。また、2016年7月1日以降の認定案件や系統枠入札をする予定の案件については、猶予期間が認められています。

 また、景観問題や安全上のトラブルが各地で発生していることから、地域トラブル防止のため、今年4月1日より事業者の認定情報システムが運用開始されています。改正法の施行後は、土地利用や安全性に関する法令に違反していることが懸念される事例については、住民から通報を受け付ける窓口を設置する予定です。関係省庁や自治体より指導・命令がされ、改善されない場合は認定取り消しの対象になると思われます。構造物や電気設備、点検保守などに関するガイドラインを整備する予定で、事業者は地域に共生していく姿勢が求められます。

(2)太陽光発電の入札制度の導入
 大規模な事業用太陽光発電設備から入札制度を導入していく予定です。具体的な対象電源や入札参加要件については、調達価格等算定委員会の意見を聴いて決定されますが、同委員会で判断基準を明確に定める必要があります。(図4)

 今回の入札制度の導入は、ドイツの制度を参考にしています。2000年4月に改正により事業者に有利なFITを開始したドイツでは、開始後2年間は買取価格を変えず維持しましたが、2002年から価格低減率方式注1)を設定しました。太陽光導入の急拡大と賦課金の上昇を受けて、2009年からは国民負担の抑制を図るため、導入量に応じて価格低減率を変化させる方式に変更しました(当初は年間2.5GW規模の導入を想定)。2015年からは、大規模な太陽光発電地上設備は入札制度に移行しました。年に3回実施していますが、事業者が支援を受ける価格水準について入札し、応札札が安い順に落札できる仕組みになっています。

 入札制度のメリットは、競争を通じてコスト効率的な事業者から導入が進むことですが、デメリットとしては、事業者にとって入札金額によっては落札できないリスクが生じることです。

special201310_01_028_01図4 入札制度のイメージ 出典:資源エネルギー庁[拡大画像表示]

 また、系統接続の円滑化に向けて、各電力会社において、再生可能エネルギー発電事業者からの系統接続についての問い合わせへの対応を円滑に行っていくため、系統接続相談窓口を設け、今年2月9日より各電力会社のホームページでも案内を開始しています。(図5)

special201310_01_028_01図5 系統入札の状況と系統接続に関する問い合わせ先
出典:資源エネルギー庁
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注1)
価格低減率:直近の導入量が想定より多い場合には、価格低減率が上昇するのに対して、想定よりも少ない場合には買取価格の上昇もあり得る。


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