日曜大工でもできる究極の温暖化対策(その3)


YSエネルギー・リサーチ 代表

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 今年の1月16日の本欄で、複層ガラスに日曜大工で木枠をはめて内窓を作って取り付けたら、予想以上の効果があったと紹介し、さらに、このようなことが簡単に自分でできるようなキットを商品化してほしいという要望をした。これに対して読者から、そのようなキットがプラスティック枠のものが入手可能であることをメールでご教示いただき、早速DIYのお店で知らせていただいた材料を購入したと2月26日の本欄で報告した。その材料を使って早く内窓を作る、あるいは、大きな窓ガラスにプラスティック膜を貼り付けようと思ったのだが、これにはある程度の時間を確保しなくてはならないので延び延びとなってしまい、購入した材料は自室の隅に立てかけたままになっているのが気になっていた。その矢先、先にメール情報をくださった方から再度メールが送られてきた。

 なんとこの方もキットを自ら買い求めて、もっとも暖房を使用する部屋へ取り付けられたということのご連絡だった。しかもそれと同時に、取付後の電気代の推移を昨年と比較したデータを送って下さったのだ。ご了解を得てそのメールのコピーと資料をお示ししたい。「前回メールでご報告したイージーウィンドウを購入(掃出し窓用Lサイズ税込17,190円)、1月に一番滞在時間が長くエアコン暖房を使用している居間の掃出し窓に設置してみました。その結果、添付図(電気代.jpg)のように昨年冬の同月(1、2月)に比べそれぞれ電気使用量で約60、70 kWh、電気料金にして約1300、1800円下がりました。(1月の検針時期の中間時期に始めたため2月より1月の方が、減少幅が少ないと思われます)。我が家において年間約1800 kWh電気を使用しておりますので、仮に冬の始まる前から複層窓を設置して12月や1月においても2月と同様に70kWh(1,800円分)節電できれば年間で約12%程度の電気の削減が達成でき、購入費用も約3年で回収できることになります。」


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 自らデータを解析されたことにも感心させられた。メールにも書いておられたが、気候条件やエアコンの使用時間などの相違があるために、必ず目に見える効果が出ると決めつけることはできないが、節電効果があることを一応確認され、その結果に満足しておられるのだ。毎月の電力使用量を集計すること自体は難しいものではないが、自ら手がける人はあまり多くないだろう。このような具体的な数字が実体験者から示される機会が多くなれば、自分で内窓を作ってみようという人が増えるかも知れない。知り合いから、内窓製作を指導する学習会をしたが長続きしなかったとも教えられた。趣味と一体化したプロジェクトとして成功事例が具体的に示されるような工夫をすれば、意外に大きなエネルギー効率アップの成果が生まれるかも知れないと思った次第。

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