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爆買いは歓迎だが観光だけでは地方創生はできない

安価・安定的電力供給が地方創生に必要な理由


国際環境経済研究所所長、常葉大学経営学部教授


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 図-3は産業の就業者数を示している。付加価値額が高い産業の就業者数は少ない。これらの産業を地方が育成することは簡単ではないだろう。それでは、藻谷が言うように里山の恵みを生かした農林業、あるいは枝野幸男が言うように地方の伝統産業、特産品、例えば枝野の選挙区の特産品、盆栽で生きていけるのだろうか。

図3

 藻谷が21世紀型資本主義と持ち上げる、バイオマス(生物資源)を活かすオーストリアでも、林業の就業人口は就業者の0.4%にしか過ぎないことをみれば、地域の伝統産業、特産品で雇用を作り、地域を創生することは、ほぼ絵空事に過ぎない。観光と同じく分かりやすく、何となくできそうだから言われているだけだろう。
 結局、地方が活性化するには付加価値額が高く、雇用も大きい製造業を育てるという王道しかないのだ。そのためには、価格で勝負するしかないコモディティと呼ばれる商品ではなく、ブランド商品を日本の製造業が多く作り出すしかない。英国のダイソン、米国のGE、世界には技術、デザインなどでブランドと呼ばれる商品を作り出している企業は多くある。日本企業は失われた20年間でブランド力をかなり失ったが、まだ力はある。
 製造業がブランド品を作り出す力を得るためには、大震災以後30%以上上昇した産業用電気料金を原子力発電の再開により引き下げ、収益増を実現することが必要だ。それが、結局地方創生につながる。



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