エネルギー・温暖化関連報道の虚実(1)


国際環境経済研究所前所長


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皆さま、明けましておめでとうございます。
今年も国際環境経済研究所をよろしくお願い致します。

 さて、今年の抱負です。それはブログの更新を頻繁にすることです。
 役人だったせいか、いつも何かを書こうとすると、ちゃんと調べてからとか、こんなの書いていいのだろうかなどと構えてしまって、筆が進まないことが私の欠点です。その結果、ブログの更新が滞ってしまいました。

 その代わりというか、ツイッター@sawaakihiro)では結構頻繁につぶやいています。それも、必ずしもエネルギーや温暖化問題ばかりではなく、愛犬と同じ犬種のゴールデンレトリバーの話題や、好きなサッカーの映像や、いろいろです。
 その中で、リツイートしてもらうことが多いのが、報道されている記事についてコメントするつぶやきです。
 
 仕事上、その背後にある事情を知っていたり、1次情報に接したりすることが多いので、報道の虚実が気になってつぶやくこともあります。
 また、海外での報道はあまり日本には紹介されないことも多いので、他国の事情について間違ったイメージが固定化していることも多いのがこの分野です。例えば、ドイツや英国のエネルギー・温暖化事情などはその典型です。

 ツイッターの問題は、引用したり、コメントする対象も含めて140字以内という制限があることです。そのためにいい足りなかったり、誤解されることもたびたびです。

 ということで、今年から国内の報道記事やニュース(特にメジャーな報道機関が流すもの)や、海外での報道の紹介などを、ツイッターより長く、しかし「論考」よりは相当短く、このブログで行っていきたいと思います。

 とはいえ、私の世代はこうしたネット世界での発信は慣れていません。ぜひこうした方がいい、ああすればいいんじゃないかというようなアドバイスや内容に関するご意見は、国際環境経済研究所に頂ければと思います。
https://ieei.or.jp/inquiry/

 さて、第一回目は2015年の展望記事です。

「2015年 どうなる?国のエネルギー政策」
http://news24.jp/articles/2015/01/03/06266523.html

「地球温暖化対策 新たな一歩を踏み出す年に」
http://news24.jp/articles/2015/01/03/07266495.html

「エネルギーミックス 原発の割合焦点に」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150103/k10014401561000.html

「温暖化削減目標 早期策定が焦点」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150102/k10014398721000.html

 日テレとNHKの記事ですが、全体の展望ですから事実関係や見方にエッジが立っているわけではありません。ということは、読んでも面白くないです。

 ただ、両方とも温暖化対策とエネルギー対策を別々の記事で書いていることが、そもそも見識に欠けている証拠と言えるでしょう。この二つは表裏一体だから、本来は両方を睨んだ統合された記事であるべきなのです。
 たぶん、これは環境省記者クラブと経産省記者クラブのそれぞれが、縦割り的に記事を出しているからでしょう。どこの世界もいっしょですね。

 そのうえ、NHKの記事は見出しが「早期策定が焦点」とありますが、的外れです。
 各国の閣僚から何を言われようと、目標(約束草案)を出す時期は日本自身が決めればいいことです。これまでの国際合意でも、準備ができる国は今年の第一四半期、そうでない国はできるだけ早い時期という事だけが決まっているだけです。
 
 問題は時期ではなく、内容です。まさにエネルギーミックス、中でも火力をどの程度にするかがポイントになります。
 ところが、この報道も、世間一般も、原子力がどの程度になるかが焦点だと思っているようです。それはエネルギー政策としては確かにその通りです。
 しかし、温暖化対策から見た場合には、原子力と再エネは同じ低炭素電源として一括りのものとして考えるべきなのです。

 何を目的とした政策を考えるのか。それが根本になければ、原子力をどれくらいに設定すべきなのかをアプリオリに決めることはできません。
 こうした視点で書かれた記事を読みたいものです。



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