2013年11月のアーカイブ

  • 2013/11/28

    私的京都議定書始末記(その24)
    -交渉官の1日-

     閑話休題。今回は私の経験を元に、交渉官の1日を綴ってみたい。舞台は最も多くの交渉が行われたボンのマリティムホテルである。

     朝6時に起床。霞ヶ関では自宅からオフィスまで片道1時間20分を歩いているが、ボンでは会議会場と宿泊場所が同じであるため、どうしても運動不足になる。そこで6時半頃ホテルを出て30-40分ジョギングをすることを日課としていた。 続きを読む

  • 2013/11/27

    PM2.5連載企画 スペシャルインタビュー
    東京女子医科大学 名誉教授 香川 順氏

    「PM2.5問題の今」を聞く
    大気汚染と健康影響:PM2.5による健康影響は全身に及び死亡率を高める

    PM2.5は私たちの体にどのような影響を与えるのだろうか。健康影響の問題が、私たちにとって一番気になることです。これまでの大気汚染と健康影響の歴史をたどりながら、海外でのPM2.5の疫学調査事情など、東京女子医科大学名誉教授・香川 順氏に伺いました。

    大気汚染と健康影響の歴史は、工場が立ち並ぶ田舎町で始まった。

    ――大気汚染の歴史についてまず伺えますか? 続きを読む

  • 2013/11/26

    低炭素社会実行計画(一般社団法人 セメント協会)

     セメント産業は、様々な自然災害から人々の命や暮らしを守る強固な躯体を持つコンクリート構造物やセメント系固化材により改良された地盤の基となる製品を提供して「安全が確保される社会」を支えています。また、他産業や一般家庭から発生する廃棄物・副産物の一部を天然資源の代わりの原料やエネルギーの代替として活用し、セメントを製造することにより「循環型社会の構築」にも貢献しています。 続きを読む

  • 2013/11/25

    COP19 参戦記④
    -COPは温暖化を解決するための会議か?-

    COPは温暖化を解決するための会議か

     COP19は予定を大幅に超えて会期最終日の翌日、土曜日21時頃全ての日程を終了した。例年より若干早く、ポーランドの建国記念日である11月11日にスタートした約2週間の会議で何が成果として残ったのか。 続きを読む

  • 2013/11/25

    水素社会の構築に向けて持つべきスケール感

     燃料電池自動車の市場化の目標時期(2015年)が間近に迫ってきて、水素社会の到来かなどという声をあちこちで耳にするようになりました。燃料電池を始めとする水素技術関係のシンポジウムや展示会なども活況を呈しているようです。

     しかし、「水素社会の実現のために」行われているさまざまな取り組みの中には、「水素社会の実現」が目的化してしまっているようなものも見られます。 続きを読む

  • 2013/11/22

    私的京都議定書始末記(その23)
    -AWG-KPとはどんな場か(3)-

     AWG-KPでは同じような議論が延々と繰り返されており、私が参加した12回の交渉をそれぞれ紹介してほとんど意味がない。そこで今回はAWG-KPにおける典型的な議論のいくつかを紹介することとしたい。

    AWG-KPにおいて先進国全体の削減幅を先決することの是非 続きを読む

  • 2013/11/22

    COP19 参戦記③
    -日本の新目標はなぜ「今」だったのか-

     現地時間11月20日午前11時過ぎ、石原環境大臣が国連気候変動枠組み条約交渉のプレナリー(本会議)において、演説を行った。2020年までのわが国の目標を、民主党政権が掲げていた1990年比25%削減に代わり、2005年比3.8%削減とすることを正式に発表し、あわせて、温暖化に向けた革新的技術開発に向け今後5年間で官民あわせて1100億ドル(約11兆円)の国内投資を目指すこと、途上国の温暖化対策支援に160億ドル(約1兆6000億円)を拠出すること等もあわせて表明した。 続きを読む

  • 2013/11/20

    COP19 参戦記②
    -産業界の関与強化がカギ-

     政府間の交渉である国連気候変動枠組み条約交渉において、民間組織からの参加者がどのような活動をしているのか、不思議に思われる方も多くいらっしゃるだろう。確かに交渉そのものは政府間で行われ、条約上の義務を負うのも締約国政府である。しかし温暖化そのものの影響、規制による影響を受けるのは産業界を含めた我々市民であり、温暖化対策の技術や資金、人材を多く持っているのもまた同じなので、交渉を実のあるものにするために非政府組織からも多数参加しているのである。 続きを読む

  • 2013/11/20

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その11)
    大統領就任以前のオバマの原子力への対応

     新規原子力発電所計画が30年ぶりに動き出している米国だが、オバマ大統領は大統領選挙期間中からユッカマウンテン処分場の計画の見直しを主張していた。その後ユッカマウンテンは、ブルーリボンコミッションという専門家パネルによる一定の審議を経て見直しをすることとなった。オバマ大統領の原子力政策はどこへ向かっているのか。大統領就任以前のオバマ氏の言動と比較しながら、オバマ大統領政権の原子力政策を分析してみたい。
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  • 2013/11/19

    元英国議会科学技術局事務局長Cope教授に聞く「環境・エネルギー政策における日英の未来」
    (IEEI セミナー開催報告)

     10月23日、元英国議会科学技術局事務局長であり、ケンブリッジ大学クレアホール終身メンバーのDavid Cope氏をお招きしてセミナーを開催しました。Cope教授は、私が今年7月にロンドンを訪れた折に、当研究所ホームページに「私的京都議定書始末記」を連載してくださっているJETROロンドン所長の有馬さんにご紹介いただいたことがご縁で、今回のセミナー開催をご快諾いただいたものです。 続きを読む

  • 2013/11/18

    COP19 参戦記①
    -日本の新たな温暖化目標に関する評価-

     今年もまた国連気候変動枠組み条約の交渉がスタートした。例年よりも若干早く、11月11日から2週間、ポーランドのワルシャワにおいて開催され、私は後半の1週間位参加すべく、この原稿を彼の地に向かう飛行機の中で書いている。 続きを読む

  • 2013/11/14

    四季折々、七変化?-季節で変わるPM2.5

     さてPMの濃度は一年の中で一定なのでしょうか? それとも何らかの原因によって変化するのでしょうか? また、近年PMの濃度はどのように推移してきたのでしょうか? 今回はPMの濃度の季節変化、ならびに経年変化についてお話ししたいと思います。
    続きを読む

  • 2013/11/13

    私的京都議定書始末記(その22)
    -AWG-KPとはどんな場か(2)-

     160ヶ国近くが参加する国連温暖化交渉であるが、キープレーヤーはおのずと限られてくる。12回にわたって参加したAWG-KPにおいても、毎回必ず発言する「会議の顔」のような人々がいる。今回はAWG-KPの主要な登場人物の何人かを紹介しよう。

    途上国の交渉官達 続きを読む

  • 2013/11/12

    北京のPM2.5対策に地方の壁

     先日、久しぶりに北京を訪問した。上海では青空が見えたが、北京は相変わらず乳白色の濃霧のようなスモッグだ。(写真は産経ニュース、10/28)
     北京は、周囲(北・東・西)を山に囲まれた盆地状の土地で空気が淀みやすい。
     かつて「北京秋天」と言われた青空は望めない。 続きを読む

  • 2013/11/11

    誤解を招く里山生活でのエネルギーの自給
    藻谷浩介、NHK 広島取材班 著『里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く』

    田舎暮らしが日本の解決策になる?

     戦後の経済成長に支えられた日本でのマネーに依存した資本主義社会における都市生活が大きな矛盾を抱えるようになった一方で、若者から見捨てられた高齢化過疎地が広がっている。その過疎地に、マネー依存の生活から離れた新しい価値観を求める人々がUターンあるいはI ターンしている。その人たちの田舎暮らしの生活の実態を、「里山資本主義」として紹介しているのが表記の藻谷らの著書(以下、本書、文献1 )である。 続きを読む

  • 2013/11/08

    再エネ実践講座〜地熱発電の展望と課題

     10月21日(月)、全学自由研究ゼミナール「再生可能エネルギー実践講座」3回目の講義のテーマは、地熱発電です。地熱は季節や天候に関係なく安定した自然エネルギーで、日本は活火山数119個を有し、地熱資源量は2,347万kWと米国、インドネシアに次ぐ世界第3位の地熱資源大国です。しかし、日本の地熱開発は「失われた15年」とも言われ、設備容量54万kW(540MW)のまま15年間も研究・開発ともに停滞し続けていました。 続きを読む

  • 2013/11/08

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その10)
    ブッシュ政権で進んだ原子力政策

     2000年、ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領に就任してから、米国の原子力政策は格段に進んだ。
     2001年5月にチェイニー副大統領が座長として取りまとめた「国家エネルギー政策」は、原子力を「温室効果ガスを発生しない大規模なエネルギー供給源」であると評価し、エネルギー政策の主要な柱として原子力発電を位置づけた。カリフォルニア州の電力危機や、原油価格の高騰を受けたものだ。 続きを読む

  • 2013/11/07

    小泉改革と原発ゼロ論

     12年前、多くの国民は小泉改革を支持した。小泉改革の旗印は、01年の所信表明演説に引用された「米百俵の故事」が示すように、「痛みを我慢すれば明るい将来がある」だった。しかし、その成果は結局得られなかった。
     実質国内総生産(GDP)は小泉時代の5年間に、輸出増をテコに7.5%成長したものの、名目GDPは全く伸びていない。デフレが止まらなかったためだ。 続きを読む

  • 2013/11/06

    原子力問題を総合的に解決する事業環境整備法策定を

    (「WEDGE Infinity」からの転載)

    再稼動、電力自由化、ファイナンス、賠償・・・・・・。原子力問題が混迷の度を深めている。福島第一原発事故の処理も相まって、原子力関連事業の将来像が見えない状態だ。今こそ、バックエンドのあり方も含めた総合的な解決案が必要とされている。ここに、様々な要素を盛り込んだ原子力事業環境整備法案の策定を提案する。 続きを読む

  • 化学工業界の国際組織
    2013/11/01

    低炭素社会実行計画(一般社団法人 日本化学工業協会)

     化学産業は、様々な産業に多種多様な製品・技術を提供し、私たちの暮らしを支えている産業です。他の産業と異なる点は、化石資源を燃料としてのみならず、原料としても使用していることです。このようなユニークな特長を持った化学産業は、化学業界が排出するCO2量の90%をカバーする173社、2協会が、経団連・環境自主行動計画に引き続き、低炭素社会実行計画にも参加し、地球温暖化問題に、ソリューションプロバイダーとして貢献していきます。
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