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電力供給を支える現場力①

—関西電力海南発電所の苦闘—


国際環境経済研究所前所長


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 さて、海南発電所だ。ここには石油火力の1−4号機がある。燃料は重油ではなく、低硫黄原油の生だきである。(石油製品は連産品であり、重油が不足するからといってむやみに増産すれば、より軽質なガソリンも産出されてしまうため、収益の軸であるガソリンの価格低下が懸念される石油会社としては、経営上重油の増産は簡単ではない。とかく、エネルギー問題は複雑だ。)環境問題といえば、近年はCO2が話題になっているが、ちょっと前は火力発電所の環境問題は硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)だった。高価な脱硫装置を付けるか、低硫黄原油を使うかは必須だったのである。
 ここの2号機は、中長期的な需給状況や経済性などを踏まえ、2001年から長期計画停止中だった。ところが、原発が次々と停まる状況下、この夏の電力供給を支えるために再稼働させることが急遽決まったのである。

全体にさびが目立つ。ちなみに右下の原油タンクの向こう側に見える港湾入り口のところに、今後津波対策用の水門(有明海の水門の逆で、津波時には海の下から鋼管が突き上がってくる方式のもの。日本で初めて)が造成されるとのこと。

 そこからは「戦場のような忙しさだった」と辻靖介所長は振り返る。特に、長期計画停止中に発電設備の屋外にある部分は、雨ざらしだったせいもあり、ボロボロに痛んでいたのを短期間に復旧しなければならなかったからである。この写真がその状況を表している。