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原発電力の代替、当面は石炭火力でなければならない

エコ神話の崩壊が、エネルギー政策の変換を迫る


東京工業大学名誉教授


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エコ神話からの脱却が日本経済の危機を救う

 基本的な生存に必要な食料の60 % とともに、化石燃料の全量を輸入に頼らなければ生きてゆけない日本は、いま、世界の先進国のなかで最も苦しい経済的な危機に立っていると考えるべきである。この日本の経済を何とか維持しているのは、輸入エネルギー源価格の安かった時代に、技術の力で、それを有効に使って経済を発展させてきた過去の蓄積である。この蓄積を食いつぶすような内需の拡大による景気の浮揚は、「たこ足食い」、それこそ、「集団自決」だと考えるべきである。雇用の確保を目的とした輸出産業を何とかして維持するとともに、国内資源を生かすことで、生きるために必要な化石燃料の輸入金額を節減して、貿易収支を何とかバランスさせる方策を探し出すのが、これからの技術立国日本のエネルギー政策でなければならない。

 それは、この国の技術者が「科学技術の開発」が国民のお金を使うことではなく、国民のためにお金を稼ぐことだとの「科学技術者の常識」に立ち返ることでのみ達成できる。

(引用文献)
1. 久保田 宏;「原発に依存しないエネルギー政策を創る」日刊工業新聞、2012
2. 21世紀政策研究所(澤昭裕);「エネルギー政策見直しに不可欠な視点」、2012年3月
3. 平成22 年度環境省委託事業「平成22 年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書、平成23 年3 月」株式会社エックス都市研究所、アジア航測株式会社、パシフィックコンサルタンツ株式会社、伊藤忠テクノソリューション株式会社

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