米国の再生可能エネルギー政策(2)~太陽光の「サンショット計画」


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授

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(図3)EIA 米国内の「エネルギー見通し2015」の標準シナリオ

(図3)EIA 米国内の「エネルギー見通し2015」の標準シナリオ


(図4)EIA 米国内の「エネルギー見通し2015」標準シナリオでの再生可能エネルギーの電源割合予測

(図4)EIA 米国内の「エネルギー見通し2015」標準シナリオでの再生可能エネルギーの電源割合予測

サンショット計画における太陽エネルギー技術への莫大な投資

 サンショット計画が発表されて以降、DOEは次の5つの分野における350プロジェクトに投資してきた。

太陽電池(PV)の研究開発
集光型太陽熱発電(CSP:Concentrating Solar Power)
太陽光発電システム設置等のソフトコスト(Soft Costs of Solar Deployment)
システムインテグレーション
テクノロジーをマーケットへ(Technology to Market)

 太陽電池の研究開発については、2015年1月29日、DOEは、太陽エネルギーの革新的な生産技術開発に4500万ドル、地域プログラムに1400万ドルの追加提供を発表している。太陽電池の発電効率の向上、信頼性の向上につながる研究開発や、2020年以降の次世代太陽電池の研究開発に力を入れる。

 ユニークなのは集光型太陽熱発電(CSP)開発への投資だろう。2010年以降、約6000万ドル規模の投資が行われ、CSPシステムや蓄熱器の性能を向上させ、CSP技術の実用化と市場拡大を目指して技術開発が進められてきた。CSPは太陽光を鏡やレンズに集中させ、発電に使う蒸気を発生させ、その蒸気でエンジンやタービンを回して発電する。CSPは、砂漠のような太陽高度が高く、広大な土地が必要になるが、雲で日射が遮られることによる出力の変化が少ないのが特徴で、低価格での電力供給が可能だと言われている。DOEは、CSPの発電コストを2010年の約21セント/kWh から2020年までに約6セント/kWhへと低減させることを目指している。(図5)


(図5)集光型太陽熱発電のコスト低減目標

(図5)集光型太陽熱発電のコスト低減目標