核燃料サイクル政策のあり方についての提言(最終回)

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一連の「核燃料サイクル政策のあり方についての提言」を終えるにあたり

 国が原子力発電を重要電源として今後も継続利用していくことを明言した以上、使用済燃料を適切に処理処分(核燃料サイクル)し、最終的に残る高レベル放射性廃棄物による環境負荷をミニマムに抑えることは、国としての最重要責任であることを改めて強調したい。これまで繰り返し指摘した通り、わが国の核燃料サイクル開発の現状はまさに混迷状態にあり、先行き見通しが全く不透明である。国は開発体制を抜本的に見直すことを表明しているが、基本的条件は核燃料サイクル全体を通じ国として一貫した政策目標を明示した上で、目標達成が実務的に達成可能な開発体制を再構築することにある筈である。特に2016年という至近距離にある電力システム改革の官民役割分担という課題を如何に乗り切るかが、重要な注目点である。核燃料サイクル開発にはこれ以上の時間空費による停滞は勿論、失敗は許されない。当エネルギー安全保障・原子力政策研究会は今後も国の動向を慎重に見極めながら、政策に関するより具体的提言を進めて行きたいと考える。

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