2015年4月のアーカイブ
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2015/04/30
米国の自動車戦略~燃料電池自動車
“all-of-the-above”政策
米国エネルギー省は、2015年3月3日、燃料電池関連と水素エネルギー技術の開発に3500万ドルの投資を行うことを発表した。トヨタの燃料電池車“Mirai”が市場投入され、世界的に注目されている燃料電池自動車(FCEV)。 続きを読む
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2015/04/28
高レベル放射性廃棄物地層処分の処分地選定
科学的有望地提示の前に、その「選び方」についての対話を原子力発電の利用に伴って発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるための国としての方針である「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」が改訂される。 続きを読む
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2015/04/27
COP21・パリ会議で、議長国フランスの柔軟な姿勢は活かされるか
先月、「COP21に向けて」と題する第四回欧州エネルギー・フォーラムが開催され、招かれて参加した。欧州以外の地域の人達の意見も聞きたいと言う主旨で声がかかったものだ。会議では、率直な意見交換があり、興味深いものであった。印象深かった点を数回に分けて紹介したい。 続きを読む
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2015/04/27
布オムツをリメイクしてみました
増税以降、値上げばかりで嫌になってしまいます。物価が上昇するなら給料も上がって欲しいところですが、私のギャラも据え置きもしくはダウンです。二言目には「うちも厳しいですから…」と、日経平均株価が2万円をつけてもこれですから、最近では必要なものでもアウトレットやセール品を狙って買って出費を抑えるようにしています。 続きを読む
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2015/04/24
気候変動交渉はなぜ難航するのか?(その3)
国連における合意形成の難しさ
温暖化交渉の淵源は1992年の国連気候変動枠組条約である。温暖化問題はグローバルな問題であるから、全ての国が参加する国連で交渉するというのは否定しようのない正論である。しかし、温暖化交渉が難航している要因の一つが国連という場にあるというのも否定しがたい事実である。 続きを読む
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2015/04/23
米国の次世代エコカー開発(2)
全米100の「クリーンシティ」での代替燃料車の普及全米100の自治体と連携してエネルギー省(DOE)が進める「Clean Cities」プロジェクトでは、排ガスを出さないEVやプラグインハイブリッド(PHV)などの電動自動車ほか、プロパンガス自動車や天然ガス自動車、バイオ燃料自動車なども含めた代替燃料車(AFV: alternative fuel vehicles)の普及により温暖化対策を推進している。 続きを読む
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2015/04/22
身近になりつつある直流社会
つい最近、シャープと経産省が直流給電のできる住宅1棟の実験で、全て交流で給電する一般の住宅より約15%の省エネ効果を確認したという記事を見て驚いた。 続きを読む
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2015/04/21
【緊急提言】誤解だらけの気候変動問題
-基準年はいつにすべきか-日本の2020年以降の削減目標の「基準年」はいつになるのか。一般の方にはそれほど関心のない地味な事柄だが、しかし、基準年をいつにするかで目標の見え方は全く異なる。交渉プロセスにおいては必ず、各国の削減努力の公平性が議論されるので、いわゆる交渉官は基準年の違いによって生じる「見かけの削減量」の大小に騙されることはない。 続きを読む
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2015/04/21
気候変動交渉はなぜ難航するのか?(その2)
負担分担の難しさ
マイナス・サムの温暖化交渉の難しさは温室効果ガス削減コスト負担をどう国際的に分担するかという問題に帰着する。温室効果ガス削減コストは、エネルギー多消費産業を中心に産業の国際競争力にも影響を与える。 続きを読む
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2015/04/21
大幅な省エネ見通しの国民負担を精査せよ
既存のモデル試算は電力価格倍増を示唆している<大幅な省エネ見通し>
省エネルギー小委員会(以下、小委)は、4月17日の第3回会合において、新たな省エネ量の試算を示した。以下本稿では特に電力に着目して議論する。 続きを読む
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2015/04/20
米国の次世代エコカー開発(1)
今年12月パリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、世界各国が2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みの合意を目指す中、米国は排出削減・抑制目標について2025年までに温室効果ガス排出量を05年比で26~28%削減するという米中合意を経て、3月末に国連に提出した。 続きを読む
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2015/04/16
【緊急提言】誤解だらけの気候変動問題
-省エネに対する期待は”適正”か-日本の温室効果ガス排出量が増加している。環境省が4月14日に発表した確報値では、2013 年度の我が国の温室効果ガスの総排出量は、14 億 800 万トン(CO2換算)となり、 続きを読む
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2015/04/16
気候変動交渉はなぜ難航するのか?(その1)
温暖化交渉の風刺漫画
気候変動交渉に関する風刺漫画は多い。試みにclimate negotiation, cartoonというキーワードで画像検索してみると、あきれるほど多量の漫画が出てくる。そしてそのどれもが、遅々として進まない温暖化交渉を揶揄したものばかりだ。典型的なものを4枚ほど紹介する。 続きを読む
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2015/04/15
【緊急提言】誤解だらけの気候変動問題
-米国の削減目標に左右されるな-東京で桜が満開になった3月31日、米国が国連気候変動事務局(UNFCCC)に2020年以降の温暖化目標を提出した。昨年11月にオバマ大統領が中国を訪問した際、米中共同で発表した内容と同じく、「2025年までに05年比で26~28%削減する」というものだ注1) 。 続きを読む
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2015/04/15
原発事故の健康影響(その2)
(前回は、「原発事故の健康影響(その1)」をご覧ください)
1.避難区域設定による健康被害
原発事故の直後に、政府は様々な避難区域を設けました。 続きを読む
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2015/04/13
原発事故の健康影響(その1)
だいぶ前のことになりますが、「原発事故では死者が出ていない」というある議員の発言が物議を醸したことがありました。原発事故が単なる「放射線」の問題ではない。これは多くの方が認識されていることだと思います。 続きを読む
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2015/04/10
第2話「原子力の平和的利用」
原子力の平和的利用
ウィーン国際センター(Vienna International Center)のほぼ中央に円筒形の建物(C棟)がある。この建物には、各種イベントが開かれる地上階のオープンスペースや郵便局、売店、会議施設があり、国際原子力機関(IAEA)の理事会もこの建物内で開かれる。 続きを読む
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2015/04/10
核燃料サイクル政策のあり方についての提言(最終回)
前回(第9回)では2018年の日米原子力協定の満期、さらに六ヶ所再処理工場の本格運転を控えて、わが国のプルトニウム利用のあり方について米国をはじめ海外諸国の懸念が顕在化しつつあることから、対応方策の考え方を提言した。 続きを読む
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2015/04/09
「ゴミ問題」の危機感と解決策提案
書評:野口 健 著「世界遺産にされて富士山は泣いている」(電気新聞からの転載:2015年3月20日付)
著者とはもう何年のおつきあいになるだろうか。環境雑誌の企画で、対談をさせていただいたのが最初の出会いであった。 続きを読む
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2015/04/08
続・欧州のエネルギー環境政策を巡る風景感
-パリCOPに向けたEU提案-パリ議定書に向けたビジョンの発表
2015年2月25日、エネルギー連合に関するパッケージと併せて欧州委員会が発表したのがCOP21をにらんだパリ議定書の青写真 ”The Paris Protocol – A blueprint for tackling global climate change beyond 2020” である。 続きを読む