宮井真千子・電子情報技術産業協会環境委員会委員長に聞く[前編]
震災を乗り越え、最先端の環境技術で世界をリードしていく
松本 真由美
国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授
現場に組み込まれた省エネのDNAで、節電要請にも対応
――2011年夏の節電要請に、パナソニックはどう対応されましたか。
宮井:2011年の夏は、電気事業法第27条に基づく電力の使用制限が実施されましたが、しっかり守ることができたと思います。パナソニックは2007年に行った「エコアイディア宣言」で、事業が成長しても二酸化炭素(CO2)を減らしますという大胆な宣言をしました。その頃から、各拠点で省エネの取り組みを徹底して行ってきていますので、現場には、省エネに対するDNAが組み込まれています。
逆に、すでにどんどん消費電力量を下げてきていますので前年のピークよりさらに下げるというのはかなり厳しい目標でしたが、一部稼働日の曜日変更や時間変更等も実施して、結果的にはさらに削減できました。関西電力管内でもご協力できたと思っています。
――この冬の節電対策はどうされていますか。
宮井:この冬については現在検討しているところです。政府は夏と同じような規制はかけないとしていますが、引き続き、パナソニックとしては省エネを続けていく方向で検討しています。
夏は、電力ピークを午後1時から5時の間と予測し、そのピークをいかに下げるかが重要でした。冬のピークは出方が違い、二こぶラクダのような形をしています。朝の操業開始の頃と夕方にピークを予測し、それをどう抑えていくのかが課題になります。そのため、夏場とは違う施策が必要になるだろうとの想定で具体策を検討しています。