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 米国オバマ大統領は第二期目に入り、大統領就任当初からのテーマであった環境問題には熱心に取り組む姿勢を見せてきています。議会で環境法制化が頓挫した後、行政府の執行権限による環境規制の強化を目指そうとしています。また、シェールガス革命により、天然ガスの利用が拡大し、エネルギーの低炭素化は進んでいます。原子力発電も30年間の空白の後、新規原子力発電の新設が始まり、小型モデュラー炉の開発も加速しています。オバマ政権第二期は環境・エネルギー政策を一層展開させることが予想されます。
 オバマ大統領は第二期目の課題であるLNG輸出にも前向きな発言をしていますが、国内での受け止めは依然一色に染まったとは言えず、いろいろな動きが絡みあっています。そうした中、オバマ大統領はこれから数年の間に大統領実績ともなる「政治的遺産」つくりに専念することも考えられ、どのような形になるかが日本のエネルギーセクターにも影響を与えるものと思われます。
 本レポートでは第一期目以前からの経緯を振り返りつつ、日本のエネルギーセクターが留意すべき点を整理しながら米国の環境・エネルギー政策の進み行く方向とその主要論点を明らかにしたいと思います。

  • 2013/08/12

    オバマ政権の環境・エネルギー政策(その1)
    はじめに

     オバマ大統領は2012年の再選に向けた大統領選挙を有利に展開することができた。米国の多くの州は大統領選において伝統的に民主党の強い州と共和党が強い州にはっきりと色分けされる。それ以外のいわゆるスウィングステーツと呼ばれる選挙ごとに候補者次第で投票結果の異なる州がある。フロリダ、オハイオ、ペンシルバニア、ヴァージニア、アイオワ、ミシガンなどの州である。周知のとおり、米国では過半数を得た党が「大統領選挙人」の全部の票を獲得するので大統領選挙人が多く割り当てられたスウィングステーツの動向はきわめて重要である。 続きを読む

前田一郎(まえだ いちろう)/環境政策アナリスト
1956年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。東京電力入社。日本エネルギー経済研究所派遣を含め、1992年から1996年の間ロンドン事務所駐在。2004年から2008年ワシントン事務所駐在。