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東日本大震災と日本の成長戦略一覧

  • 2011/08/09

    東北経済復興と地球温暖化~復興と防災国家構築と~

     東日本大震災の発生以来、5カ月近く経過したが、東北経済の復興が目に見えて進んでいるようには感じられない。いまだに現地では瓦礫の処理が滞っている。復興の実感は、瓦礫を撤去して、そこに新しい家が建ち、周辺一帯に電気やガス、水道などのユーテリティーが回復して、はじめて湧いてくるものではないだろうか。 続きを読む

  • 2011/05/23

    東北復興へ新しい水産業のモデル構築を

     甚大な被害をもたらした東日本大震災から2カ月が経過した。福島第一原子力発電所の事故を契機に、エネルギー問題が大きくクローズアップされ、地球温暖化問題も視野に入れた今後のエネルギー需給のあり方に関する活発な議論が行われている。一方で被災地復興の観点から真っ先に考えるべきことは、東北の基幹産業の復興であり、その一つが水産業であると言える。

     私は環境(環境化学工学)を専門とし、これまで特に藻場を中心とした沿岸生態系の修復プロジェクトに産学連携で取り組んできた。このプロジェクトは、製鋼スラグと未利用バイオマス資源を有効利用する藻場再生技術の研究開発が軸となって開始され、すでに全国各地で実証試験・実証事業が行われている。

     現在では、生態系理解・生物多様性保全への研究展開、沿岸生態系修復による地球温暖化問題解決への貢献可能性の検討など、地球的規模の課題解決に向けた展開もなされている。プロジェクトの性格上、漁業関係者や水産業とのかかわりは特に深く、今回の大震災においては、沿岸漁業の復興支援活動にも携わっている。このような状況を踏まえて、産業と環境の関係性の観点から、水産業の復興と沿岸生態系修復について述べることとする。

     すでに報道などにある通り、今回の大震災では、岩手・宮城・福島の東北3県を中心に水産業は大きな被害を受けた。水産庁によると、5月11日までに、全国の水産被害額は6694億円にのぼるとされている。特に東北3県は、漁船、漁港をはじめとして壊滅的な被害を受けている。事態の深刻さは漁業生産手段が失われただけではなく、水産業の構造そのものが失われたと言える状況にある。

     水産業は、漁業従事者だけでなく、水産流通業、水産加工業、漁船具の製造・販売業、そして造船業など多くの関連業者によって成り立っている。巨大な津波は、それらの機能をすべて喪失させるほどの打撃を与えた。実際に4月下旬に訪れた被災地の漁港の状態は、それが過剰表現でないことを実感させるものであった。すべてを回復させるには、膨大な労力と時間を要することは想像に難くない。

    石巻漁港の様子(長さ652mもの上屋根のあった魚市場付近。津波被害を受け、解体・撤去が進む)
  • 2011/05/13

    日本の総力をあげ総合的な水管理システムを

     21世紀は「水」の時代と言われ、10年が経過した。上水の供給や排水処理、処理施設の管理運営などの総合的水管理市場は、2025年には100兆円規模になると試算されている。その背景には、水が得られない人口が約11億人、トイレや排水処理がないか実施されていない地域の人口が約26億人も存在している。また、循環型社会を構築するうえで、水処理分野においても二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)といった温室効果ガスの発生抑制やエネルギー回収が急務となっている。

     2008年度に下水道から排出された温室効果ガスの総量はCO2換算で674万tあり、日本の総排出量の0.5%に達している1)。こうしたなかで、小規模分散型生活排水処理システムとして活用されている浄化槽は、最小規模の5人槽で、生物化学的酸素要求量(BOD)1kgあたりのCO2排出量が8.7kgとなり、西村ら2)は人口密度が1040人/km2以下の集落では、下水道による整備よりもCO2排出量が少なくなると報告している。

     これまで、わが国の生活排水処理システムにおける低炭素化対策は、処理施設がエネルギー面で完全に自立したうえで、新エネルギーの活用とエネルギー回収、物質循環を目標とし、現在では省エネ技術の導入を中心とした施策が実施されてきた。しかし今回の震災により、さらなる省エネや節電が求められており、排水処理の分野においても、一層の省エネ技術開発が直近の課題になっている。

  • 2011/05/10

    東北経済復興と地球温暖化

     東日本大震災では、私が所属する企業も津波で被災し、現在も電力が復旧しないなか、工場の復興に向け懸命に努力している。 続きを読む