フィジーの政治・外交と地球温暖化


キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹

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 フィジー共和国は2017年の気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC COP)における議長国に選出された。2006年のクーデターによって軍事政権が成立した後、先進諸国によって制裁を受けていたフィジーは、2014年の民政移管に前後して、国際社会に復帰しつつあり、西側先進国とは一線を画する太平洋島嶼諸国の盟主として、地球温暖化問題における国際的プレゼンスを高めている。
 フィジーはハリケーンによる災害に度々見舞われてきた。特に2016年には強力なサイクロン・ウィンストン(Winston)によって、GDPの2割に上る被害があり、国民の60%が被災したとされる。フィジーが災害に対して脆弱な理由は、経済開発水準が低く、防災インフラが整っていないことによる。そして両者とも、1970年のフィジー独立以来の政治問題である、土地利用問題と民族問題がその要因の一つとなっている。今後のフィジーにおいて、自然災害及び地球温暖化に対する脆弱性が軽減されるためには、この政治問題の改善が望まれる。

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