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クルマはどこまでエコになるか?


中部交通研究所 主席研究員


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自動車本体以外でも考えられる改善の可能性

 自動車利用に伴うエネルギー消費、あるいはCO2排出量は、自動車単体の効率だけでなく、それを運転する際の状況によっても大きく左右される。極端な例が、東京の渋滞した道路での走行である。平均時速がせいぜい10~20km/時で、空いている高速道路を走行する場合の数倍も燃料が必要になる。大都市域での渋滞を解消するための対策はインフラの改善も含めて多々あるが、エネルギー消費の面だけでなく、大気環境の改善の面からも非常に重要で、今後も真剣に取り組んでいく必要がある。

 また、運転者の特性によっても燃料消費量は大きく変化する。急発進や急ブレーキの抑制などのエコドライブを心がけている運転者は、平均より10~20%程度、燃料消費量が少なくなると言われている。高速走行の場合でも、100km/時で走行するか、少し落として80km/時程度で走行するかによって燃料消費量が10~20%程度変わってくる。このため、エコドライブを推奨するためのドライバー教育の重要性が、最近、欧米で見直されている。

 以上見たように、車両技術の改善による効率化、あるいはCO2排出量の少ない燃料の使用などにより、将来の運輸部門での燃料消費/CO2排出量は削減可能であるが、実際どの程度まで削減可能であろうか。例えば、車両技術の改善により車両価格が非常に高くなってしまっては、消費者の購買意欲が落ち、実際には、道路上で走る車全体の効率はあまり改善されないであろう。次回は、そのような経済性も考慮したうえで、将来の削減量を推計した例を紹介しながら、現実的な削減可能量を考えてみたい。

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