誤解だらけのエネルギー・環境問題
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2012/03/21
架空の財布の紐は緩い~経済影響を実感として理解する~
電気料金上昇の本当の影響を考える以前、尾瀬の自然保護活動に関して「仮想評価法(CVM)」という手法を使ってその価値の計測を試みたことがある。ハイカーが押し寄せて自然が荒廃した1960年代の尾瀬の写真と、保護活動により回復した現在の尾瀬の写真を2つ提示し、尾瀬の美しい自然価値に対して自分が支払ってもいいと考える評価額(支払い意思額)を聞いたものだ。 続きを読む
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2012/03/05
先人に学ぶ2 ~ドイツの挫折 太陽光発電の「全量」買取制度、廃止へ~
2012年2月10日の記事 で、ドイツの雑誌シュピーゲル誌掲載の記事から、太陽光発電の全量固定価格買取制度が大きな政治問題に発展していることを紹介した。ドイツでは、太陽光発電のオーナーたちが得た補助金は80億ユーロ(約8600億円)を超えるにもかかわらず、雪の多い冬季は何週間も発電できず、1年間を通してみると3%程度の不安定な電気を生産するに過ぎない。国民の怒りが膨らむのも当然であろう。今回はその続報である。 続きを読む
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2012/02/10
先人に学ぶ ~ドイツの太陽光発電導入政策の実態~
2002年に成立したエネルギー政策基本法は、「3つのE」(安定供給、環境保全、経済性)を基本方針と定めている。電気事業者は、この3つのEを同時達成することが使命(電気事業連合会ホームページより)とするが、同時にすべてを満たすことは無理であり、どうバランスをとるかの話である。 続きを読む