高市政権は国民の圧倒的負託に応え、今こそ「責任あるエネルギー政策」を!
―緊急政策提言―
印刷用ページ(「エネルギー問題に発言する会」ホームページより転載)
(参考 執筆者 エネルギー問題に発言する会 有志 針山日出夫(取り纏め)、中村民平)
【要旨】
世界では分断と対立が常態化し秩序が漂流し米・中・露3大国のエゴがまかり通っている。日本がこの国際社会で堂々と勇躍するためには難しい舵取りが必要でありその為には、安定した政治基盤が必要だ。エネルギーは選挙の争点にはならなかったが、「世界で輝く強い日本」を築くには「盤石のエネルギー政策」が最重要事項である。
その要点は「原子力の最大限活用」と「期待先行の再エネの現実路線への巻き戻し」であり、化石燃料との早期決別も国益に反し得策でない。高市政権が掲げる「責任ある政策」の一環としての経済安全保障とエネルギー安全保障の同時強化のためには、「GX実行計画」や「日本成長戦略」で盛られている政策の喫緊の重要項目に焦点を絞った政府による「エネルギー緊急行動5カ年計画」の発動を提案する。これらの政策の機動的実施が「盤石のエネルギー安定供給構造」の基盤構築の為に待ったなしであり、「責任あるエネルギー政策」の証しである。
1.第7次エネルギー基本計画の現実路線への見直し
不確実で不透明な世界の政治・経済情勢は必ず地政学的リスクを顕在化させその結果としてエネルギー情勢に有形無形の影響を及ぼす。安定していた時代では考えられない想像を超える不確実性と混迷の中で、より的確なエネルギー政策を打ち出し国益を守り続けるには「そこにあるかもしれないリスク」の観点から資源貧国/産業立国の日本としては不確実性を極力排除する現実的な政策の策定が望まれる。
日本のエネルギー政策の要である第7次エネルギー基本計画(25年2月)では「電力安定供給」と「脱炭素社会(2050CN)」の同時実現を目指しているが,その道筋は不透明であり難路と言える。エネルギー安全保障の多様な潜在リスクの中で「盤石のエネルギー政策」を組み立てるのは容易でない。原子力の最大限活用を阻害している足下の喫緊課題解決は待ったなしであり、炭素排出量削減目標とリンクした非現実的な再エネ目標値の修正も待ったなしと言える。これらの諸課題を一定期間内で処置し、「盤石のエネルギー政策」の基盤構築のために以下を含む政府による「エネルギー緊急行動5カ年計画」の策定・発動をお願いしたい。
2.「エネルギー緊急行動5カ年計画」の構想骨子案
原子力に係わる遅々として進捗しない足下の喫緊課題の解決に向けての行動計画を具体的に集約し、政府としての不退転の決意を国民に示し実行するのが「責任あるエネルギー政策」の出発点である。又、政策展開の見える化を図り国民理解を得て支援強化策を織り込んで実効性を高める事が肝要である。現下の喫緊課題を以下に列記する(順不同)。
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- 原子力の司令塔機能の設置
現下の喫緊諸課題を一元的に管理・監督・裁量するためには総理大臣直轄の司令塔機能が必要で、高市総理の強固な信念と力強いリーダーシップの発揮が望まれる。 - ❐
- 原子力への信頼回復と国民理解獲得
原子力はエネルギー自給率・安定供給・脱炭素の観点から安心できる電源で、我が国にとって必要不可欠である事を政府が分かり易く国民に説明する事が必要。 - ❐
- 再稼働の一層の促進
既に認可を得ているプラントの早期再稼働並びに目下審査中のプラントの審査の迅速化と審査期間予見性の付与が必須である。 - ❐
- 六カ所再処理プラントの安定操業開始と使用済み燃料の処理
核燃料サイクル確立に向けた明確な計画立案と再処理事業の長期安定操業の実現。 - ❐
- 原発新設に係わる事業環境整備と専門人材の確保
原発新規建設着手が容易になるように初期投資の公的支援や許認可の予見性付与などの法制度の機動的改正が必要(電力自由化の見直し、原子力損害賠償制度の見直し、規制の合理化等の規制改革の断行等)。同時に官民を問わず、原子力事業に携わる専門人材の育成確保策も必要である。 - ❐
- 高レベル放射性廃棄物(HLW)最終処分地選定に向けての国のより一層の関与
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- 再エネ(太陽光、洋上風力)の現実路線への転換
再エネ賦課金制度の撤廃、太陽光・洋上風力発電の目標値の緊急見直しなど。 - ❐
- 重要鉱物並びに化石燃料資源のサプライチェーンの維持強化
レアーメタル等の発電施設の製造に不可欠な重要鉱物資源が中国による寡占状態の現状に照らし、又、石炭やLNG等の化石燃料資源の安定調達に向けての調達先の多様化並びに有志国の連携による集団的管理の制度化が急がれる。日本は重層的な相互互恵を軸とした国際協力関係の構築を急ぐことが求められる。
3.纏め
第6次エネ基(2021年10月)で謳われた2030年原子力発電比率20~22%の必達の為には既設原発33基と建設中3基の全てが稼働することが望まれる。一方、2050年における60年運転可能な既設炉は21基で同年での原発電比率を約30%とすると120万Kwクラス革新軽水炉の投入は30基程度が必要であり、計画立案から発電開始までには約20年程度を要することを考慮せねばならない。
現在の状況を放置すると既設炉の早期再稼働や円滑な新規建設は覚束ない。日本が再び脱原発への道を歩む事がないように高市政権は直ちに「エネルギー緊急行動5カ年計画」を策定発動し、決断と実行力を持って果敢に邁進して欲しい。国民からの圧倒的な信託に応え、グリップの効いた「責任あるエネルギー政策」の発動とその成果に期待したい。













