経団連カーボンニュートラル行動計画
一般社団法人 日本経済団体連合会
KEIDANREN
経団連は、昨年より、「低炭素社会実行計画」を「カーボンニュートラル行動計画(CN行動計画)」と改め、62業種の参加の下、排出削減に向けた取り組みを推進している。本年5月の提言「グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて」においても、CN行動計画を着実に実施していくことを改めて表明した。
本年11月、経団連は、今年度のCN行動計画(速報版)を公表した。以下、そのポイントを説明する。
1.2050年カーボンニュートラル(CN)に向けたビジョンの策定状況
経団連では、参加業種に対して、2050年CNに向けたビジョンの策定を呼びかけている。今年度のフォローアップ調査では、策定済みの業種が、昨年度の27業種から、36業種に増加した。また、策定済み36業種のCO2排出量は、参加業種のCO2排出量全体の約97%となった。これは、経済界として、2050年CNの実現に最大限取り組む姿勢の表れである(図表1)。
2.排出削減目標の見直し
CN行動計画の参加業種は、2030年度における国内事業活動からのCO2排出削減目標を設定している。政府が2013年度比で2030年度46%の排出削減を目指す中、経団連では、参加業種に削減目標の不断の見直しを呼びかけている。その結果、昨年度のフォローアップ調査では13業種、今年度のフォローアップ調査では19業種が目標の見直しを行った。このように、見直しのペースが加速していることは、経済界として、政府の2030年度目標の実現に積極的に貢献していく考えを示したものである(図表2)。
3.国内事業活動における排出削減
参加業種による排出削減に向けた取組みの結果、2021年度における国内事業活動からのCO2排出量は、2013年度比で17.7%減少した。2020年度比では5.7%の増加であるが、2021年度は、新型コロナウイルスの影響から経済活動が回復に向かった時期であることに留意が必要である。参加業種による設備の効率化、運用の改善等の継続的な努力が、2013年度以降の排出削減に寄与したものと考えられる(図表3)。
詳細についてはCN行動計画のページをご覧いただきたい。なお、今回の速報版は、62業種中58業種から回答を得て作成している。全ての参加業種について記載した確定版については、2023年3月頃の公表を予定している。