広がるレジ袋有料化


消費生活アドバイザー

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 2020年7月からプラスチック製レジ袋の有料化義務付けを実施する方針が示されました。既にレジ袋が有料化されているお店やエコバッグ持参時にポイント付与されるお店はありますが、これが義務化されることによって、さらにレジ袋の有料化が進むことになります。

 近所の八百屋さんでは、先だってレジ袋が有料化されました。
 1枚につき5円と書かれています。義務化された後のレジ袋の金額は、お店によって決めることができます。お店によっては、レジ袋1枚3円のところや、2ポイントが付与されるなどさまざまです。

 ユニクロでは、レジ袋ではありませんが2020年1月14日より、紙製のショッピングバッグが1枚一律10円(税抜き)で販売されるというアナウンスが出ています。

 また、無印良品ではマイバッグの利用でマイルを付与しています。こうしたショップの袋は宣伝効果が期待できるものとして認識されていましたが、無料の宣伝効果よりも有料のエコに向かったことは素晴らしいと思います。

 こうした有料化について一般の消費者の間では、ゴミ箱につける袋にレジ袋は便利なのに残念といった声も聞かれます。消費者の中には、有料もしくはポイントが付与される店舗ではマイバッグを持参し、無料でもらえるお店ではレジ袋をもらっているという使い分けをしているとの声もあります。
 レジ袋の有料化の中でも例外が存在していて、植物由来のバイオマスプラスチックが一定量以上配合された買い物袋や、微生物などの働きで自然に分解される海洋分解性プラスチックを使った買い物袋など、環境負荷が少ない買い物袋は義務付けの対象外となります。

 環境に配慮されたレジ袋は既に市場に出回っており、例えば大手スーパーのイオンでは、全店舗でバイオマス素材のレジ袋を有料で販売しています。また、買い物袋やマイバスケットの素材も、リサイクル原料やバイオマス配合プラスチックを利用しています。

 海外に目を向けてみると、既にプラスチックのレジ袋を規制し、課税・有料化、禁止令を出している国は多く、例えばアジア諸国で課税・有料化がされている国は台湾、中国、インドネシアなどがあり、禁止令が出ている国はバングラディシュ、ブータン、モンゴル、中国、インドなどがあります。インドはプラゴミ規制が世界でも厳しい国の一つですが、使い捨てのレジ袋、コップ、ストローなどの使用を禁止する法律があり、州によっては違反をした業者や消費者には罰金刑などが科せられるなど、とても厳しく規制がされています。さらにインドのモディ首相は2022年までには、使い捨てプラスチック製品を一掃するとの宣言をしています。

 世界的にも、レジ袋を含む使い捨てプラスチック製品を減らして、代替品に替えるときがきています。便利さの中で犠牲になっているものも多くあり、レジ袋は海に流れると、海洋汚染を引き起こし、クラゲと間違えて食べてしまう生物がレジ袋を消化しきれずに命を落としてしまうこともあります。
 消費者はリサイクルできるからOKではなく、まずはリデュース(発生抑制)から考え、行動を起こすことが大切でしょう。
 

 今回は、レジ袋有料化がテーマですので、私が愛用しているマイバッグの紹介です。左側は横型でファスナーが付いたやや大きめのもので、右側は縦型でちょっとしたお買い物に便利なサイズです。

 軽くて、畳むとコンパクトになります。
 環境にやさしい生活は、ほかにもたくさんありますが、意識を高くしてできることから、一人でも多くの人が取り組むことが大きな成果につながります。