英国で考えるエネルギー環境問題
私的京都議定書始末記(その40)
-進まない非公式協議-
有馬 純
国際環境経済研究所主席研究員、東京大学公共政策大学院特任教授
その時、私は「2週目の水曜日の午後の段階で、少人数によるドラフティングに入らず、このような大人数の協議をやっているようでは、合意は得られないのではないか」と思ったものだ。
その日の午後6時頃から京都議定書・アンカリングの共同ファシリテーター(英国、ブラジル)と緩和/MRVの共同ファシリテーター(ニュージーランド、インドネシア)による合同の非公式協議が行われ、30カ国近くが参加した。
この場でブラジルのマシャド局長から、COP決定、CMP決定に各国のプレッジをアンカリングする方法として以下の方針が説明された。その日の午後11時頃に再開された会合では、それを文書にした案が配布された。
- CMP決定:
- 京都議定書附属書Ⅰ国の中期目標をまとめた既存のAWG-KPのINFドキュメント(FCCC/KP/AWG/2010/INF2)をテークノート
- COP決定:
- 先進国のうち、京都議定書附属書Ⅰ国については、上記のINFドキュメントを、米国についてはAWG-LCAで新たに作成する別途のINF ドキュメントX(FCCC/LCA/AWG/2010/INF X)をテークノート。途上国については、AWG-LCAで新たに作成するINFドキュメントY(FCCC/LCA/AWG/2010/INF Y)をテークノート