COP18の概要~産業界の視点(第3回)


国際環境経済研究所主席研究員、JFEスチール 専門主監(地球環境)

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(イ)経団連NEDO共催サイドイベント(12月5日 20:15~21:45)

 例年経団連が単独で修正してきた公式サイドイベントが、今年は会場の制約でNEDOとの共催の形で12月5日夜に行われた。
 全体の司会進行を経団連の立場で筆者が務めた。先ず開会挨拶をNEDOの古川理事長が行い、引き続いて長浜環境大臣が、わが国の地球温暖化対策への貢献につき、産業界の自主行動計画の実績や、二国間オフセット取り組みなどを引用しながら紹介した。引き続きキーノートスピーチとしてUNEPのSteiner事務総長が、温暖化問題、環境問題に対する日本の技術貢献への期待について基調講演した。
 パネルディスカッションのセッションでは、新日鉄住金の岡崎環境部上席主幹が自主行動計画、セクター協力の実績、BOCMへの取り組みについて紹介、ベトナム資源環境省のタン国際協力局次長が日本の技術支援とBOCMへの期待を表明。英Vivid EconomicsのエコノミストWard DirectorがCDMの限界と特に大型インフラ投資にはCDMは本質的に不向きであり、それを補完するBOCMのような制度が望まれることを指摘。最後にNEDOの上田理事から、NEDOの環境・エネルギー技術の開発支援の歴史、海外普及支援活動とBOCMのFS事業が紹介された。全体を通してSteiner事務総長から、温暖化対策で技術の重要性と具体的な成果を出すことの重要性が指摘され、日本への期待と共にパネルが締めくくられた。
 終わりに経団連を代表して進藤地球環境部会長(新日鉄住金副社長)が閉会の挨拶を行った。開催時間が夜の9時過ぎという遅い時間にもかかわらず、会場には約百名を越える聴衆が最後まで残り(同会場の直前のイベントが韓国産業界主催だったため、韓国人、中国人など東洋系の参加者が多かったが)、なかなか盛況だった。
 今COPでUNFCCCの技術メカニズムの中心組織である気候技術センター(CTC)のホストを務めることが決まったUNEPのシュタイナー事務局長に、パネリストとして最後まで登壇いただいて、日本の技術アプローチの実態や途上国からの期待などについて直接接していただいたことの意義は大きかった。

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