2011年9月のアーカイブ

  • 2011/09/27

    再生可能エネルギーによる景気浮揚は本当か?
    米太陽光発電企業破綻の教訓

     再生可能エネルギーのなかでも、日本では太陽光発電に対する期待が高い。欧州で再生可能エネルギーの主力になっている風力発電は日本には適地が少ないし、地熱やバイオマス、潮力などのポテンシャルを考えても大きな供給量を期待できないからだ。結局、太陽光発電が日本では主力にならざるを得ない。

     その太陽光発電を大規模に導入する目的で、「再生可能エネルギー特別措置法」が成立した。再生可能エネルギーから生まれた電力を固定価格で高く買い取り、需要家が電気料金として負担する仕組みだ。これにより、再生可能エネルギー設備への投資が進み、関連産業が日本で育つことが期待されている。

     しかし、この考え方は正しいのだろうか。日本に先行して固定価格買い取り制度を導入した欧州では、使用されている太陽光発電モジュールの大半は中国、台湾製だ。欧州ブランドの製品でも、モジュール製造はアジアで行っている。“欧州産”は価格競争力がないためだ。もっと悲惨なのは、オバマ大統領が再生可能エネルギーによる雇用創出を打ち出した米国で、8月中旬から、日本の会社更生法に当たる連邦破産法第11条、いわゆる「チャプターイレブン」を申請するモジュール製造企業が相次いだ。

     たとえば、8月15日にエバーグリーンーソーラー社、8月17日にスペクタルワット社、9月7日にはソリンドラ社(昨年オバマ大統領が視察し、5億ドル以上の連邦政府の資金を投入)がチャプターイレブンの申請を行っている。このうちソリンドラ社は、1100人の従業員の大半を即日解雇した。破綻の原因は中国企業との競争に敗れたことだが、競争激化の本当の原因は、欧州市場にあると見られている。

  • 2011/09/26

    日化協、カーボンライフサイクル分析(c-LCA)手法の指針策定に着手

     日本化学工業協会は、温室効果ガスの排出削減で化学産業の貢献度の評価指標となる「c-LCA(カーボンライフサイクル分析)手法」のガイドライン策定に着手した。同協会内に設置したLCAワーキンググループを中心に検討を始め、2011年内にも指針をまとめる方針にしている。

     c-LCAは、原料の採掘から製造・利用・廃棄までの化学製品のライフサイクルの各過程で排出されるCO2の排出量を定量化し、化学製品の利用で削減されるCO2量を論理的・実証的に評価する手法の一つ。国際的な化学工業協会団体、国際化学工業協会協議会(ICCA)が2009年に作成した報告書でも紹介された。

     日化協は2010年から国内の最終製品使用でのCO2排出削減量の定量化に取り組んでおり、今年7月には、化学製品の貢献度をまとめた報告書を作成。この報告書では、再生可能エネルギー、軽量化・低燃費化、省エネルギーの3分野で、太陽電池やLED(発光ダイオード)照明、住宅用断熱材など9つの事例についてc-LCA評価結果を明らかにした。

     日化協は今後も、製品のライフサイクル全体に着目してCO2の削減度を評価するc-LCAの概念の普及を目指す考え。そのためには、c-LCA手法の信頼性の向上が不可欠なため、CO2削減貢献の定義や比較対象製品・技術の選定ルール、CO2排出削減貢献量の定量評価方法などのガイドラインを年内をメドにまとめる方針という。

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  • 2011/09/16

    国交省、電気自動車による公共交通のグリーン化促進事業で公募

     国土交通省は、観光地などでバスやタクシーに電気自動車を活用する「電気自動車による公共交通のグリーン化促進事業」の2次公募を開始した。同事業は、公共交通に電気自動車を採用して環境負荷を低減するとともに、地域の観光を振興する事業に対し助成するというもの。具体的には、バスの場合は専用充電設備を含めた導入費用の半額、タクシーの場合は導入費用の3分の1までを補助する。電気自動車だけでなくプラグインハイブリッド車も対象で、設備の埋設・設置や分電盤・ケーブルなど接続のための工事費用も導入費用に含む。

     応募者は、事業の概要に加えて、実施体制や電気自動車と充電設備の導入方法、スケジュール、経費の詳細などを指定の様式にまとめた事業計画書を9月22日までに国土交通省に提出。9月下旬をメドに、外部有識者で構成する選定委員会で応募案件を評価し、10月上旬にも採択案件を決定し、事業者を認定する予定。認定を受けた事業者は60日以内に補助金の交付を申請し、早ければ11月にも交付が決定する。

     今回の促進事業の総予算額は4億5000万円。1次募集では、東京都三鷹市が応募したバス1台と非接触式充電設備の導入事業のほか、19件タクシーグリーン化事業(内訳は電気自動車38台、プラグインハイブリッド車20台)が対象になった。

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  • 2011/09/15

    産業界、エネルギー政策で野田新政権に要望

     8月末から9月初頭にかけて、野田佳彦・新政権誕生に向けて、産業界からエネルギー・環境問題に関する期待や要望が相次いだ。東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故の影響により日本のエネルギー政策が大きく変わろうとするなか、野田新首相に対して、地に足をつけてかじ取りするよう求めている。

     日本化学工業協会の藤吉建二会長は民主党代表選の結果を受けてコメントし、エネルギー政策の見直しなどに関し「短・中長期的な時間軸を見据えながら、現実を踏まえた具体的政策の立案・実行をお願いしたい」と要望。日本鉄鋼連盟の林田英治会長は新内閣発足にあたり、環境・エネルギー政策など重点課題で強いリーダーシップを求め、「経済の活性化、国民生活の向上実現を希望する」とした。

     今後のエネルギー政策が事業に大きく影響する電気事業連合会の八木誠会長は、新内閣発足に際し「エネルギー政策の検討は、国家の将来を左右する極めて重要な問題」としたうえで「どのようなエネルギーを選択していくのか、オープンな場で、長期的かつ複眼的な視点をもって、国民的な議論を十分に積み重ねていただきたい」と注文。資源獲得競争の激化、燃料価格の高騰、温暖化問題への影響を考慮する必要があることを訴え、安易な政策転換をけん制した。一方、石油連盟の天坊昭彦会長は新首相に望むコメントで、「石油のサプライチェーンの適切な維持と実現可能なエネルギーベストミックスを両立する石油政策の早急な確立を望みたい」とアピールした。

     エネルギー関連技術を保有する企業が多い電子情報技術産業協会の矢野薫会長は、新政権発足時の談話で「エネルギー・環境問題などへの適切かつ速やかな対応を願う」とし、省エネ・創エネ・蓄エネ技術で貢献する姿勢を示した。また、経済同友会の長谷川閑史・代表幹事が、新エネルギーや原発の安全に関わる技術革新の加速や、実現可能性のあるエネルギー基本計画の策定に期待を表した。

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