国際エネルギー機関、世界のエネルギー産業の雇用状況を地域・技術毎に分析した初の報告書を公表

印刷用ページ
 国際エネルギー機関(IEA)は世界のエネルギー産業の雇用状況を地域・技術毎に分析した初の報告書を公表した。
 これによると、クリーンエネルギー部門の雇用拡大に牽引され、世界のエネルギー産業の雇用者は新型コロナウイルス感染症のパンデミック前の水準を上回る6500万人超に増加した。2022年に同産業の雇用は近年で最も急拡大する見通しだが、高い投入原価とインフレ圧力により雇用や供給網の課題が増大している。バリューチェーンの各分野(燃料供給、電力、最終使用)の雇用者はほぼ同数である。地域別では、エネルギーインフラの急拡大と安価な労働力へのアクセスを背景に、アジア太平洋地域が世界の雇用者の半分以上を占める。
 IEAのどのシナリオでも、クリーエネルギー部門の雇用は拡大し、化石燃料部門の雇用縮小を上回る見通し。政策決定者は、エネルギー移行ができるだけ多くの人に利益をもたらすよう職業訓練や能力開発を重視、また、影響を受ける労働者のため人中心の公正な移行の確保に重点的に取り組んでいく必要がある(特に石炭部門)という。
【国際エネルギー機関】