レジ袋有料化で消費者の環境意識は変わったのか?


消費生活アドバイザー

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 昨年の令和2年7月1日から、全国でプラスチック製買物袋(以下レジ袋)が有料となり、1年が経とうとしています。レジ袋は生活者にとって、便利なもので有料化については、未だに賛否両論あります。その理由の多くは、レジ袋をゴミ袋として使っていたから、結局ゴミ袋を買うことになるので、意味がないのでは?というものです。確かに私自身も、レジ袋をゴミ袋として使っているため、エコバッグを利用しながらも、レジ袋が1枚1円のお店で買いものをする際は、レジ袋を買っています(個人的にはここのレジ袋が最安値)。それと同時に袋を気軽に捨てられなくなりました。
 その代表的なものが、トイレットペーパーの袋や食パン袋です。以前にも少し紹介をしましたが、トイレットペーパーの袋は、上部を切り取ることで、ゴミ箱に掛けやすく、結びやすくなります。

 このやり方は、家電量販店でもらえる持ち手がフラットになっているレジ袋でも可能です。このように上部を切ることで、ゴミ箱に掛けやすくなりますので、捨てずに活用してみてくださいね。私が住んでいる自治体では、ゴミ袋が有料化されていないためこの方法でも大丈夫ですが、お住まいの自治体によって処分方法が異なりますので、自治体の分別方法に従って処理をしましょう。

消費者はレジ袋有料化で環境問題に関心が高まったのか?

 そしてまた、株式会社ロイヤリティマーケティング社が全国の消費者3000名を対象とし実施した「Ponta消費意識調査」、プラスチックごみによる環境問題に対する関心の変化に関するアンケート結果注1)によると、

【プラスチックごみによる環境問題への関心の変化】
― ここ約1年でプラスチックごみによる環境問題に対する関心が「高まった」「やや高まった」合わせて41.9%

― プラスチックごみによる環境問題に対する関心が高まったきっかけ(複数回答)は「レジ袋有料化」が最も高く86.6%。次いで「企業のストロー削減などの取り組み」39.7%

【ここ約1年で増えた家庭のプラスチックごみ】
― 巣ごもりにより、家庭で増えたプラスチックごみ(複数回答)
1位「食材の包装・トレー類」68.7%
2位「総菜の容器類」59.5%
3位「テイクアウト・デリバリーの容器・スプーン類」46.6%

― 家庭のプラスチックごみ削減で取り組みたいこと(複数回答)
「マイバッグを利用する」が94.2%で最多。次いで「マイボトルを利用する」「簡易包装の商品を選ぶ」が約5割ずつ。

 この調査結果からもわかるように、レジ袋有料化によって、環境問題に対する意識が高まった人が全体の4割に達したことは、レジ袋有料化の意味があったのではないかと思います。
 今年の3月9日には「プラスチック資源循環促進法案」注2)が閣議決定されました。おおまかなポイントは3つ、①設計・製造段階では、「プラ製品の設計を環境配慮型に転換」。②販売・提供段階では、「使い捨てプラをリデュース」。③排出・回収・リサイクル段階では、「排出されるプラをあまねく回収・リサイクル」となっています。この法律が成立すると、コンビニのプラスチック製のスプーンやフォーク、レジ袋有料化、もしくは、辞退するとポイントが付与されるようになるなど、プラスチック製品を減らし、リサイクルが促進されることになります。

 企業、スーパー業界でも、一部精肉の包装で一般的に利用されている、発泡トレーをなくす包装に切り替えているところが、OKストアやサミットなどのように増えてきました。また、無印良品では、飲料容器をペットボトルから、リサイクル率が高く、循環型資源とされるアルミ缶に切り替えています。

 個人的には発泡トレーなしの包装は汁漏れがなく、トレーのゴミが増えない点でも優れているので、今後より多くのスーパーなど小売店で採用して欲しいと思っています。飲料容器をできるだけ使用しないようにすることが、環境と家計に優しいアクションでしょう。お茶を煮出して、水筒に入れて持ち運ぶこと、たったそれだけですが、これを続けることで、資源とお金の節約になります。
 消費と環境問題はとても密接に関係しているので、身近なところから消費者も環境とコストを考えた上で、よりよい選択をできるようになることが望ましいと言えるでしょう。

注1)
第46回Ponta消費意識調査
https://www.loyalty.co.jp/storages/pdf/210427_1.pdf
注2)
環境省 プラスチックにかかわる資源循環の促進等に関する法律案概要
https://www.env.go.jp/press/files/jp/115768.pdf