クリーンパワープランで米国は世界の低炭素技術をリードするか?
米国の再生可能エネルギー政策(5)~風力発電の新時代2「洋上風力」
松本 真由美
国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授
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プリンシプル・パワー浮体式風力発電実証プロジェクト(オレゴン州)
デベロッパーのプリンシプル・パワー社が、オレゴン州沖合で進める30MWの洋上風力発電プロジェクトは、 国内で開発した6MW の風力タービンを搭載した浮体式プラットフォーム 5 台をアンカーチェーンで海底に固定し、沖合に設置するものである。現在、米国内で進行中の洋上風力発電のほとんどは着床式で、米国初の西海岸における浮体式洋上風力発電となる。今回のプロジェクトでは、浮体式のコスト低減に向けた実証研究を行う。プリンシパル・パワー社は、2012 年 4 月にポルトガル沖合において浮体式風力発電の試運転を行っている。
- 開発地点:オレゴン州沖合
- 事業者:プリンシパル・パワー社
- 風力発電設備:Siemensギアレス6MW×5台、セミサブ型浮体式
オバマ政権は、洋上風力発電プロジェクトの推進により、エネルギー確保のセキュリティ面や低炭素社会への貢献とともに、風力関連産業への波及効果や雇用拡大の面でも貢献できると大きな期待を寄せている。
◎次回は、「米国の再生可能エネルギー政策(6)~風力発電の新時代3~クリーンパワープランで最も経済性が高い評価、2050年の展望」です。