米国の再生可能エネルギー政策(1)


国際環境経済研究所理事、東京大学客員准教授

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図1

(図1)ITTA 米国の2001年と2014年の発電電力量の比較

図2

(図2)出典EIA(U.S. Energy Information Administration) 2012年から2040年の再エネ発電電力量の割合予測

2015年の米国のエネルギー需給見通し

 3月にヒアリングを行ったITTA(International Technology and Trade Associates, Inc)によると、エネルギー省(DOE)は、2015年の短期的なエネルギー需給見通しとして、電力事業者によって20GW以上の電力が系統連系されることを期待しており、その内訳は以下の通りである。

(1)
風力発電(9.8GW):
風力発電の全体の85%は、北部のノースダコタ州とミネソタ州、南部のテキサス州とニューメキシコ州の間の平地地帯に設置される見通し
(2)
天然ガス(6.3GW):
天然ガスは全米で普及拡大の見込みだが、テキサス州は1.7GWの導入量となり、他州の2倍で全体の27%を占める。ニュージャージー州、ペンシルバニア州、デラウェア州、メリーランド州などの大西洋沿岸中央部には全体26%の1.6GWが導入される見通し
(3)
太陽光発電(2.2GW):
カリフォルニア州に1.2GW、ノースカロライナ州に0.4GWが導入の見通しで、全体の太陽光発電の73%を占める。両州は太陽光促進策としてRPS制度を導入しているが、この数値に小規模の住宅用(屋根設置型)の太陽光発電システムの導入量は含まれていない。

 この他、ITTAは、2015年12月にテネシー州で建設中のワッツバー原子力発電所2号機(1.1GW)が運転開始する予定だとしており、稼働すれば米国では20年ぶりの新設原子炉となる。

◎次回は「米国の再生可能エネルギー政策(2)~太陽光の「サンショット計画」」です。

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