日曜大工でもできる究極の温暖化対策(その2)
山藤 泰
YSエネルギー・リサーチ 代表
本コラムに1月16日掲載された拙文で、「熱貫流率の低い樹脂を使った窓枠の複層ガラス窓キットのような商品を開発して、比較的簡単に設置できるようにする企業は出ないだろうか」と述べたところ、これを読んでくださった方から親切なご指摘をメールで頂戴した。「そのような商品はありますよ」という内容で、わざわざ幾つかのメーカーのホームページアドレスもご教示いただいたのでお礼のメールを差し上げたところ、メディアに取り上げさせて普及を促進できるようにアクションをとったらどうかとの示唆もいただいた。さらに、取り付けたい窓の採寸をして注文すると、それに合わせた部品を作成して一式届けるという形で販売しているところもあるとの情報も送って下さり、自分の無知を知らされた。
早速いつも利用している近くのDIYのお店へでかけた。これまでも、窓ガラスに貼り付ける断熱フィルムが幾種類もあることは知っていたが、窓フレームも含めたものは見たことがなかったので、係の人に尋ねたところ、断熱フィルムと並んで一社の製品がキットとして並んでいた。残念なことにそれに使われた半透明のプラスティック窓素材が、強度を保つためだろうが直線の溝が模様のように幾つも入っていて、視界を妨げるのが気になって購入はしなかった。代わりに透明な断熱フィルムを購入した。どのように使えるか試してみたかったからだ。これまで、一枚だけ貼り付けても断熱効果は殆ど出ないのではないかと思っていたから、空気層を挟むようなものを作って利用してみようと考えてのことだった。
たるんだり、シワが入ったりしないように取り付ける方法を考えていた矢先、消費者庁が窓に貼り付ける断熱フィルムについて、断熱効果に根拠がないとして、フィルムの製造メーカーに景品表示法違反で措置命令を近く出す方針を固めたという報道があった。ガラス窓への貼り付けは、張るだけで冷暖房の効率が大幅にアップするとして大学や公共機関などに納入されているともその記事には述べられていた。筆者の疑念が裏付けされたことになるが、DIYのお店で並べられている様子から見て、住宅用にも良く売れているに違いない。自分で作業して貼り付ければ、気分的に効果があったように思うのは人情だろう。多分、結露はしにくくなるから、断熱効果ありと思っても無理からぬところはある。効果が電気やガスの消費量削減としては出にくいからでもある。
せっかく買い求めた断熱フィルムをどう利用するかをさらに考えると同時に、あまり高価ではない小さな窓用の枠キットを買ってきて、冬は寒い浴室や手洗いの窓の内側に隙間がでないように取り付け、空気層の断熱効果がどれほどか試してみることに決めた。この種の窓なら縞模様が入っていても差し支えない。ただ、ワイフからは文句が出る可能性があるから黙ってやる方が良いかもしれない。買いに行くタイミングが遅れると暖かくなって実証できなくなるので、できるだけ早急にと思っている。掃き出し窓のような大型のものに対する夏の冷房対応としては、太陽光の赤外線を反射してくれるフィルムを単板ガラスに貼り付けるか、太陽光の熱を反射してくれるコーティングをしたガラス板を手に入れて、内窓を作ることはどうだろうかと考え始めている。大きな窓枠を木で自作するのは冒険かも知れないが。うまく作れるかどうかはやり方次第であるのと、大きなサイズのガラス板をどのように入手し、割らないように、また、怪我をしないように工作するかが課題だろう。